TOP  >  なーお'nぶろぐ  >  オーディオ  >  測定

日記一覧

当サイトに登録されている日記一覧
26件のうち1 - 10件目を表示しています。


[投稿日   ] [タイトル   ] [アクセス数   ]
12月
29 (木)
ROOM_robot.jpg

 仮組み・未仕上げ状態のまま、スタンドとエンハンサを作って置いてみました。 部屋が思いっきり散らかってますが(笑)。
 また、28日の書き込み時はスパイラルをVP200管と接着していなかったのですが、やはりスパイラルの仕切り自体が振動していたので、本日接着しました。

SIN_2.jpg

 F特も測定してみました。

sinスイープ (120sec、ステレオ2m)です。 30?40Hzのレベルが3D-ELBOW-Rよりも明らかに(10dbくらい)上がっていまして、聴感とほぼ一致しています。
 200Hzのディップは、バックロードホーン特有のものに近い感じですね。。

 現状ではスパイラル管と空気室の箱は接着していなくて、ビニルテープで空気漏れを抑えている状態です。 思っていた以上に音が良いので、このまま仕上げてがっちり固定するかどうか、迷います。 

コメントあり 2  |  続きを読む |  閲覧(66366)
5月
9 (金)

先日のインピーダンス測定後、ダクトの再チューニングを行い、周波数特性と合わせて確定版として再測定しました。

ついでに、先日のインピーダンス特性がグラフ縦軸がLOGスケールではなくリニアスケールになっていたのに気づいたのでそれも修正。

また、周波数特性もARTAのデュアルチャンネルで測定し、Speaker Workshop にインポート、インピーダンス特性グラフと並べてみました。

t_01f633b8ba52baa24071ed74898d89b0e6.JPG

中域の共鳴があり、ダクトからの漏れによってモロに干渉をうけていますね。何とも荒々しい特性です。(汗) オフ会は吸音材の増量もせずにこのまま行きます。

オフ会の配布資料を書きました。

続きを読む |  閲覧(15785)
11月
8 (日)

今日はひと月ほど放置しておりました、DigiFi誌-No19号に付録の、Olasonic製8cmフルレンジユニットで遊んでみました。

拙作、2014年Stereo誌コンテスト応募作品、クリアミントのFostex製PW80を換装です。

まずは外観の比較から。。
写真では判りづらいが、DigiFiのほうがマグネットが一回り大きい。フレームは瓜二つなので、これFostexが作っているのかと思ったのだが、裏から見るとフレーム高さが微妙に高い。Foster製ではないのかな? 次号No20のツイーターも瓜二つなんだが。。

t_0077145d13e033e44f580c6fed0538daa2.jpgt_013f616ac1007adebe6a1212852c658178.jpg

クリアミントに取り付けた様子。近くに寄らなくても、グラスファイバーコーンの光り方でそれとわかる。

t_02d6d6898dae8b70d0a0661c863d4f756c.jpg

音を出してみる。 PT20が強すぎるのか、ボーカルが前に出てくる感じで、思いのほか聴き疲れする。 巷ではファイバーユニットはエージングに時間がかかるとか。。そんなものかなあ、それにしてはなあ。。 と思っていたらビックリする内容の書き込みを発見。

スレ主のパイルさん曰く、このユニットは中域の歪が大きく、コーティング剤が効果がある、というもの。

そういえば、facebookで自作スピーカー関連で友人になっていただいている、M川氏によると、光をかざすとファイバーのスキマでスカスカだと言っていた。

そんなに?
んじゃ試してみよう、ということで、キスは女性相手と私の中では相場が決まっているのだが、意を決してセンターキャップにブチューっとした状態で息を吹いても抜ける様子は無し。

なんだ、M川さん、大丈夫みたいだよと報告してから上記記事を読んで、自分でももう一度、コーン部分にまたまたブチューっとして息を吹いてみたらM川さんの言う通りやっぱりスカスカだった。 :hammer:
確かに光にかざすとこんな感じ。
こりゃ音も悪いわなあ。。

SukaSuka.jpg

続いて、例の掲示板の書き込みを自分でも検証してみることにした。 600Hzの正弦波を入れて、PW80(Fostex)と比べてみたのだが。 左がPW80、右がDigiFi-No19(Olasonic)

t_0533cc84d94fdc92275a2c436b2dc55b13.gift_04177d890e1f07464b48187be01d966b86.gif

・・絶句。 完全に検証できてしまった。 :-?
なるほど、言われるように耳障りな奇数次の高調波歪が結構なレベルです。3,5,7,9,11,13,15,17,19次まで読み取れる。「2号揃えてハイレゾ・スピーカーを作ろう!!」と表紙に書いてあるけど、それ以前の段階ですねこれ。
こんなものを掴ませて、DigiFiもOlasonicもどーなってんの!! てな文句の一つも言いたくなる。

そして、その時の音はどんなかというと、こんな感じであります。(LがFostex,RがOlasonic) 例えてみれば出来の悪いラジカセ以下 (最近ラジカセも聴いていないのに言い過ぎたかもしれないので撤回します)。

気を取り直して。例の掲示板でパイルさんは水性ゴム塗料のコーティングで劇的に改善していたのを見て、私もホームセンターへ行きましたが同じものは見当たらず。
えーい、どうせハイカットして高域はPT20を使うんだ、要は目止めできて軽くて安くて透明ならいいんだ! ということで、ごく普通の水性ウレタンニスを買って帰った。 これなら大抵のホームセンターに置いてあるし、スピーカー工作にも良く使う。

そして実行あるのみ。塗った後は表面にツヤが出た。

t_07fc16baba8e1bf727db34766342867594.jpgt_0880c02f6bb8fae8442b807b4dbcd5df44.jpg

この時点で、600Hz正弦波を入れてみると。。見事に歪が消滅! :-D

DigiFi-No19-coated_正弦波600Hz.gif

気をよくして、F特(軸上30cm)を測ってみた。少し、しゃくれが強くなったかな。コーティング剤の材質は良く選びましょう。
(測定環境がいつものECM8000マイク他を自宅に置いてきてしまったため、手元にあったZOOM H2nのUSBデバイス機能+MySpeakerでやったので、その辺の誤差もいつもよりかなり多く入ってます。)

t_07ecb155a7680330c520ffc7e8788fd86c.JPG

そして、クリアミントのパッシブネットワーク(変型12db/Oct、3KHzクロス)を通してPT20とつなげると、こんな感じ。

t_08eb0e565e598c5dec5178f98bd5d93a4f.JPG

PW80に合わせたチューニングのままだから全然ベストではないけど、だいぶ聴けるようになったズラ。 低域も本来の重低音まで出るようになった。やっぱり元々は本当にスカスカだったんだ。。
ファイバーって編み構造なんで、コーン状に成形しただけでは剛性が出ないから、普通はもっと密度を上げて編むかコーティングが必要なんじゃないでしょうか。
Olasonicさん、いくら雑誌付録といっても、最低限のコーティングくらいはした方が良いと思うよ。あと、ユニット型名も決めて欲しかったな。 :-(

以上、怒涛の休日を存分に楽しみました。

コーティング後の正弦波比較動画
https://www.youtube.com/watch?v=d4NRGLJZ5l4
コメントあり 7  |  続きを読む |  閲覧(31662)
12月
11 (月)

日曜日はお楽しみ、subako改造予察を行いました。
クチバシを付けたsubakoHSは、スピード感が最高でしたが、中域の干渉が耳につき辛くなってきたためです。よって下部デフューザー以下は撤去。
新たにTakenakaさん考案の角型スパイラル構造をアレンジして取り入れたダクトのみの6角形の箱を作り、subako上部本体を上に乗せて、ダクト及びバックロード長の延長による最低再生周波数の伸延と低域増強、および中域のカットオフを図りました。
思ったほどダクト共振周波数が下がらず。 予察としては十分に成功だったのですが、今後の修正は多そうです。

六角ダクト予察仕様
・高さ :184mm
・内容積:約5.7L  (参考:円筒スパイラル内容積=6.3L)
・材質 :12mmt ラワンベニヤ
・スパイラル回転数:1回転 (上から入り、->下&->上->下に抜ける)
 つまり、中間フィンは2枚。
 # 詳しい構造は Takenakaさんのオリジナル版のページ
   ごらんください。 そちらの方が理解しやすいです。 m(..)m

まずはsubakoが乗った状態の写真。円筒スパイラルが下部開口なので、そこから6角型ダクトに進入させ、音響迷路に似たダクトを通り、右部下面から下方に向かって放射される。
sq_duct_subako.jpg
sq_duct_cut.jpg
カット直後の部品たち。 斜めカットが全部角度を変えたので、間違いやすい。
sq_ducttop.jpg
組み立て後、上から撮影。 この上に乗る円筒スパイラルからスムーズに進入すればよいのだが・・ 第1フィンが見える。
sq_ductbtm.jpg
裏返して、下面を撮影。 第2フィンが見える。第1フィンとは中央部のみ接触している。

★ さて、音はどうなったか。

・そう、一番気になる「32Hzは再生できるようになったかの?」 > 答えはYes。 しかし、レベルは低いためソースによっては2次高調波歪だけしか聞こえない場合も・・
 30Hzはぎりぎり。 25Hzは無理。

・100Hzまでの低域もレベルアップ。 但し、少々「ボンつき気味に鳴るバックロード」の音に近くなった。 きっと歪も増えたんでしょうなあ。 まあきちんと設計していないし、この角型スパイラルもどんな動作なのかよくわからない。 だから予察なんですって。
 まあ、スピード感も昔のコンテストバージョンよりはずっとあるし。 今後にどうぞご期待。

・下向き開口なので中高域の漏れは、聴感上明らかに減った。 でもまだスパイラル特有の共鳴・干渉は多少残っている。でもだいぶ良くなった感じで、 FE88ES-Rの本来の中高域の艶が再現できつつあって、実はこれが今回の一番の成果だったりする。 (ようやくクラシックを聴けるレベルになってき た・・)

★ 測定グラフ

subakofar061210sinsweep.gif
まずはsinスイープでのF特。
以前に比べて、40hz付近の丘が若干広くなった。 でも計算上は32hz付近で共振するはずだったので、もっと下まで伸びると予想したのだが・・
やはり角型スパイラルの容量全部をダクト内空気として振動させるのは無理か。
 55Hz付近のディップは今までもあったので、200Hzディップと同様に部屋の影響か? それとも、120Hzピークを2次高調波歪に取られてレベルダウンか。。  
 一方、70から120Hzのレベルは音道が広がった分、アップした。 ただし、120Hzの共振ピークが高い。
subakoport061210distortion.gif
ポート出力のF特と歪特性。 全体的に、以前よりも中域のピーク周波数が下がってきている。
歪も先日の測定よりも増えている。 特に、63hz付近の3rdHDはしっかり谷だったのが、今回は小山になっているのが気になる。
そして何より、中域?中高域の漏れが圧倒的に減った。(共鳴ピークを除く)
subakonear061210distortion.gif
NearFieldでの歪測定グラフ。 案の定、バックロードによる70hz付近の歪減少効果が減ってしまっている。 要設計変更。

*** というわけで、一部の方には期待させてしまった後で、イヤ実はそれほどでもありませんでした・・ というオチです。 でも今までよりもかなり迫力があって 中高域も生々しい音になりました。 もうコンテストバージョンやHSバージョンに戻ることは無い、これは断言できますし、今後の予察煮詰めで良くなる可能 性がかなり高いです。 そしてその後、6角ダクト部分を作り直しの予定です。

**
061211追記:
中低域?低域のボンつきは、やはり6角ダクトのポート断面積の設計が適切でないためのようです。 今回、あ えてフィンの高さを大きめにして、 三角形の面積<フィンスロート面積 となるようにしておりました。 そのため、ここで空気のショートカットが起きて、 空隙空気の振動効率が落ちていたと思います。

sq_duct_mod.jpg

 そこで、当初より予定していたフィンの延長を(ガムテープで)行ってみました。 これで、およそ三角形の面積=フィンスロート面積となります。 こうする とやはりボンつきは完全に抑えられ、バスレフ共振が下に伸びてきました。 ただ、少々音に元気がなくなった感もあります。

バスレフ動作を優先するか、バックロード的な元気のよさを優先するか、個別の微調整が必要だと感じました。

**
061217追記:
32Hz再生時の高調波歪がどんな感じなのかを、MySpeakerのリアルタイムアナライザで測ってみました。(距離1m) 大体常用の音量程度ですが、2枚目のグラフは最初より音量を+6dbほど上げたものです。

32hz_low.jpg
32hz_high.jpg

確かに32Hzは出ていますね。 でもその分、歪も盛大に出ていることがわかります。 特に3次高調波歪の100hz付近。 元々今回の変更で100hz付近にF特ピークがあるので尚更顕著に出たのでしょう。。

 また、音量6db上げただけで、3次高調波歪は10db上昇しています。 やはり8cmクラスにこの領域は苦しいということでしょうか。 高域が 延びたユニットなので、下が伸びることで今までよりもバランスが良くなり、スケール感もかなり上がって、軽い低音で尾を引かないので長時間聴いていても気 分が悪くなるようなことはないのですが、歪感はありますね、歪率10%オーバーですから。
 あとは、更なるチューニングによって100hz付近のピークを押さえた調整状態でどうなるか、追試してみようと思います。

 また、スピーカーを触ると、かなり振動していることもわかります。 振動を抑えることで、歪も多少は減ってくるでしょうが、目に見えた効果は期待できないかもです。

 ★ 実は歪よりも、F特の55Hz付近のディップがかなり気になります。 前からあったし広がってはいないのだが、低音が伸びてレベルも上がったため、余計気になる。。 やっぱりバスレフ?バックロード動作遷移点か?    なんとかしたいけど、ならないかなあ・・

コメントあり 2  |  続きを読む |  閲覧(25667)
3月
30 (金)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー 測定

コンテスト向けSP用のネットワークですが、 最終的には聴感で煮詰めることになるのを承知していても、やっぱり事前にある程度の予想はしておきたいですね。

世の中には、SpeakerWorkshopなどのシミュレーターがあって、色々なことができるのですが、英語版で結構敷居が高い。

で、探してみたらありました。 MS-EXCEL表計算を使った、判りやすいものが。
ここです。 12db/Octまで、位相による合算と距離調整も含めてシミュレーションが可能です。(作者のhasidaさん、感謝です。)

netsim070330.gif

 EXCELで計算できるということは、自分でカスタマイズできるという大きなアドバンテージがあります。 実際、私は各ユニットのインピーダンス特性をプロットして、そのシミュレーション結果がインピーダンス一定の結果と大きく違いが出ることを確認しました。

 EXCELだから、結構簡単。 「自分で占う」という作業を楽しくできますし、裏でどんな計算が行われているかもわかるので勉強になります。

xt25sc5004.jpg

**

 そして、ツイーターを購入しました。 Vifa[Logic]のリングツイーター、 

XT25SC50-04

 です。 早速テストをしていますが、 ソフトドームとリボンの中間のような、切り込み感とサラサラ感を兼ね備えたような音がします。 Fosのフルレンジにもマッチしそう。

 (昨年「もっ」さんがコンテストに出品した作品に使っていた物です。)

コメントあり 6  |  続きを読む |  閲覧(25270)
5月
11 (金)
twister_front.jpg

 Twisterがほぼ組みあがり、内部塗装(木工用ボンド)1回塗りと、外部塗装(水性クリアニス)2回塗りまでとりあえず終えて、音出しを開始しました。

 当初、2本ともFE103Eでネットワークスルーの予定でしたが、仮組み音だしで中域のレベルが高すぎので、1本をFE107Eに変更し、7mHのコアコイルを入れました。

 結果・・

twistercoil1m070511pinknoise.gif

 狭い部屋の中での測定なので低域レベルは高めに出ています。
 100Hz以下の低域と高域は素直な特性 (60Hzのディップは部屋の影響)で、これは狙い通り (^^)v。 しかし、中低域?中域にかけて、大きなピーク・ディップがあります。

twisterport1070511distortion.gif

ポート出力では、180Hzにとてつもなく高いピークがあります。 他はsubakoで見慣れた特性に近いので大体対処できそうなんですが、この音域の ピークは・・ スパイラル気柱共鳴の分散処理をまったく考慮しなかったのがいけなかったか・・  これは対処不可能かも。。 いや、アイデア捻り出して下 部BOX部分だけ作り直すか??

【現状の音の評価】

  1. 中高域?高域
     FE103EとXT25SC50-04の繋がりは、事前にsubakoで各ユニットのNearField測定?SpeakerWorkshopで位相関係も含めてsimuっていたとおり、薄すぎず、でしゃばりすぎず、満足できるバランスを得られました。

     このお陰で、弦やハーモニカがFE88ES-Rほどうるさくならず、けれども実在感があって実に良いです。 でも解像度や音場感はsubako+FE103Eのほうが良かったかも。 変形バッフル形状が災いしていると思われます。
  2. 低域
    twister_sim070511.gif
    netsim070511.gif
    SpeakerWorkshopでのsimu結果です。 どうやら180Hzのピークは、コイルの減衰肩の盛り上がりで増幅されているようですね。
     音は若干歪感がありますが、バランスはこれまで作ってきた3D-スパイラルSP中で最良です。 2本使ってコイルを入れた効果は絶大。    また、ウッドベースの弾み感、チェロ・コントラバスの胴鳴りなども、軽い低域のためいい感じです。 決してハイスピードとは呼べませんが、ドローンとした重い低域を長時間聴いていられない私には必要な軽快さです。 軽いけどそこそこ下まで伸びている、という。
     最低域は35Hz付近。32Hzは出ますがレベルは下がります。 でもまあ、こんなもんでしょう。
  3. 中域
     FE103Eのナチュラルな中域で、ボーカルなど自然。
     スパイラルの気柱共鳴が強く出てますので、アンサンブルなどでステージの反響音が干渉しているソースでは、その干渉が大きく聞こえて苦手。 フルオーケストラならば大丈夫。

 以上、音出し一発目としては、及第点レベル。 このままではコンテスト投稿も今ひとつ乗り気が削がれます。 どれだけ改善できるかな。。

コメントあり 2  |  続きを読む |  閲覧(41859)
4月
8 (日)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー 測定

まずはお詫びです。 昨日のARTAの測定ははっきり言って「失敗」です。 「触ってみた」だけと思ってください。 (ならBLOGにアップすんなって。ごめんなさい)

でも、昨日の不調の原因が判明しました。結構落とし穴かも。必見です
そして、ユニットインピーダンスの測定も行い、各ユニットのNerFieldのSPL・Phaseデータと共にSpeakerWorkshop(以下SpWs)にインポートして、現状のハイパスフィルターのみのネットワークシミュレーションを、「練習してみました」
【1:昨日の不調の原因】

arta_impulse_setting.gif

ARTAはDEMOバージョンで動かしていると、設定値を保存できません。 不覚にも、「Single Channel」 での測定になっていました。
右図「Impulse Response Setting」 の「Dual channel measurement mode」 にチェックを入れないと、ダメだったのです。

fig11_arta_accoustic.gif

また、マニュアルによると、私の測定環境は Lchをsoundデバイスからループバックする「Semi-Dual Channnel」 測定 というものに該当し、 右図のようになっています。(但し、L/Rは逆です。 SpWsにあわせたので・・)

おそらく、サウンドカードの種類などの環境によっては、ループバックを必要としない「Single Channel」 測定がうまくゆかない場合があるのだと思います。 私の場合も(USBサウンドカードだったりするし??)、そのクチだったでしょう。

arta_070408.gif

改善の 結果、右図のようにインパルス立ち上がりから測定でき、MySpeakerと同様のSPL結果を得られました。 ヤッタネ。(^^)/

【2:Limpでインピーダンス測定】

ARTAに同梱されている「Limp」:
 [Program for Loudspeaker Impedance Measurement]

を使って、ユニットの裸のインピーダンスを測定し、SWにインポートしました。

fig31_limp_imp.gif

まず、測定には高出力アンプは不要です。 サウンドカードの「Phone」出力があればこれを使えます。 アンプ出力の減衰回路が不要ですし、初心者には安心です。 接続は右図のようになっています。 (今度はL/Rは図のとおりにしました。)

☆ただし、オヤさんによると この方法はFsに少々誤差が出るようです。まあいいか。。☆

測定には、2モードから選択可能で、私の環境では以下のような違いが出ました。 

(1)「PinkPN」 (周期的ピンクノイズ) 
 100回測定して自動的に平均を求めてくれる方法ですが、外乱の影響を受けやすいのか、グラフのFsの山が綺麗にでませんが、こちらを使いました。

(2)「Stepped Sine」
 単一周波数のsin波を短時間測定して、周波数をインクリメントしてゆく方法。 高域で荒れたので、使いませんでした。

 (まあ、Fsの山が少し乱れてもさして影響はなさそうなんで、(1)「PinkPN」を選択してマス)

arat_spws_driver_impedance.gif

 測定が終わったら、メニューの「File」?「Export ASCII As」?「Plain ZMA File」を選び、ファイルに保存します。 この後は、オヤさんの ARTA必要十分マニュアルに書かれたのと同様の方法で、SpWsにインポートすることが可能です。 (右図は、別のチャートに重ね合わせたもの)

 以下、SpWs(SpeakerWorkshop)の説明です。 
 周波数応答もインポートしたら、各「Driver」の「Driver properties」の「Data」タブで、インポートしたインピーダンスと周波数特性を関連付けます。

spws_networkcad.gif

 その後は、オヤさんのSpeakerWorkshopチュートリアルの 5. クロスオーバーネットワークの設計 を見れば、シミュレーションが可能になります。 テストした現状ネットワークはハイパスだけの詰まらないもの(右図)。

sw_22uf_6db_highcut_only.gif

 そうして行った結果のグラフが、右です。
なお、FE103Eは裸だと2KHzに大きなピークが現れたので、subakoにマウント状態で測定。 ツイ?ターも4KHzにピークがありますので、これも後日バッフルに付けて測定しなおします。

 

***

今回の「練習」により、今後の測定・シミュレーションのスタンダードとなりうる感触を十分に得ることができました。 SpWsのチュートリアル/ARTAのマニュアルを公開していただき、オヤさん、本当にありがとうございます。

*** 追記070409

sw_42uf_12db_highcut.gif

この手の軽量コーンのフルレンジほど、コイルを通した時の劣化感があります。  折角、生きの良いフルレンジをMidに使うのですから、ここだけは何とかしてスルーで使いたい。 そういう思いでいろいろいじってました。 で、割とまともな特性が。

spws_networkcad2.gif

ネットワーク図。
かなり変則的です。

 位相の干渉を見ながらのシミュレーションが必須ですので、この手の方法でないとほとんど無理ですね。 慣れると面白いです。

コメントあり 4  |  続きを読む |  閲覧(34660)
4月
5 (木)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー 測定

オヤさんのところで少し騒ぎになってますもので、私も少し測定してみました。

WaveSpectraというソフトで、オーディオなどでサインスイープ波をリアルタイムで高速フーリエ解析し、ピークホールドして測定グラフとする、という手法です。

この手法の信頼性の低さの指摘に対して、「信頼性が低いのはご尤もだけれども、どれくらいダメなのか」が良くわからない。
オヤさんのところで公開されているデータが全てであれば、「こりゃ、全然だめじゃんか」ってなことになるのですが、 私のところではさて、どうなりますことやら。
比較対象としては、国内標準とも言えるMySpeakerと、海外では定番(?)のSpeakerWorkshopです。

xt25sc5004.jpg

まず、測定時の構成から。 テスト中のため仮止めです。
MidRange:(Fostex)FE103E
Tweeter:(Vifa)XT25SC50-04
Network:2.2μFのハイパス1本のみ (^^;;

なお、測定レベルはソフトによって、まちまちです。 1W(2.83V)は入っていないと思いますが、0.1W以上は十分に入っている状態での測定です。
また、マイクはECM8000で距離1mですが各ソフトで補正は統一していません。

nulltest070404ms.gif

【測定結果】

まずはお手軽にMySpeakerのサインスイープから。(以下MS)
いい加減なハイパスだけなんで、フルレンジ状態のMidの高域と干渉してうねってますし、このネットワークでは深い谷にはならないですね。 
ツイーター接続を反転させた場合()は明らかにレベルが落ちて、10KHzの谷が深くなってます。

nulltest070404sw.gif

続いてSpeakerWorkshop。(以下SW)
ゲート測定ではなく、通常の測定です。 1/6 Octaveでスムージングをかけているので、急峻な谷は均されてますが、ほとんど同様の結果です。

fe103ext25nt50041m070404sweep.gif
fe103ext25nt50041m0704042sweep.gif

最後に、問題のWaveSpectra(以下WS)
ソースシグナルは上記SWで作成、200ポイント+スムーズ、リニアスタイル、スイープ時間180sec。
WSのFFT数=16K、窓関数=ハニング、fps数=80?100
左がノーマル、右が反転。 縦軸のスケールが違うので他の測定結果よりも小さめに見えますが、埋まるような感じでは無いですね。

**
以下、考察および私見です。

 今回、私は10Khz付近でのリバース接続でWS+sinスイープでも、そこそこの測定結果を得られることが確認できました。 本当は、オヤさんと同じくらいの500Hzあたりでテストできれば良いのですが、その環境がありませんのでお許しを。

 また、今回の結果をもってオヤさんのデータを否定するものでもありません。

 結局のところ、もし「WS+sinスイープ」による測定法が「信頼性の低い方法」だとしても、使用者がそれを認識しながら使えば良いのだと思います。

 もちろん、他の方法を使えれば良いのですが、何より「音楽を聴きながらリアルタイムで音圧スペクトルを確認」したり、その流れでsinスイープでピークホールドされる様子を高調波歪のレベルも見ながら測定できる、 という直感的なわかりやすさが得られるからです。

 この方法を使い続けることは私も推奨しませんが、 最初から「この方法はだめだから使うべきではない」 とは言いません。
 初めて測定する人には、こういった方法から入ることで、知識と聴感・直感でやってきたことを目に見える形にすることの面白さ、すばらしさが十分に伝わるからです。 ステップアップはその後に行えばよろしいではないですか。 時間は十分にあります。

「この道は、いつか自分が通ってきた道」

続きを読む |  閲覧(19920)
4月
7 (土)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー 測定

オヤさんが ARTA必要十分マニュアルを公開してくださいました。
有難く、使わせていただきます。(^^)/

早速、MLS信号でインパルス応答を周波数解析する手法でF特と群遅延特性を測定してみました。 (インピーダンスは測定は明日の予定)

arta_070407.gif

まずは周波数(SPLと位相)から。
こんなに低音、出てたっけ?
少し低域が持ち上がった結果に見えます。
ゲートを設けず、FFT時間で計算しているから?
ちなみに、マイク補正はオヤさんのところの(修正版)を使わせてもらってます。

mysp_070407.gif

MySpeakerだとこんな感じ。
聴感上はこちらが合っている気がする・・
ARTAの使い方が悪いのかなあ・・

arta_gdelay070407.gif

一応、群遅延特性も表示させてみました。
スパイラル共振のすぐ下の35Hz付近で山があって・・ていうのは納得ですが、もっと遅れが大きそうなものだけど、、 それに、?150Hz付近は割りと平坦だし。 やっぱりきちんと測定できていないのかな。 
中域の暴れはすごいなー。 これは部屋の影響だけではなく、スパイラルからの音の遅れも大いに影響している部分だと思います。

 

(以下後日、インピーダンス測定の結果も貼り付ける予定)

追記:測定時間を延ばしてFFT数を上げると、低域の測定分解能が上がってレベルも下がってきます。そして群遅延は低域でもぎざぎざに。

arta_time_1.gif

追記:右図のように、時間軸でみたレスポンスに、インパルスの立ち上がりが出ないのは、変。 サウンドカードの入出力の非同期とかが原因かなあ・・

コメントあり 3  |  続きを読む |  閲覧(22181)
10月
24 (金)

LIMP(ARTA)を使ったインピーダンス測定は、このときの記事以来です。 思い出すのに時間がかかりましたが、サウンドカードと100Ω抵抗があれば測定できるので、安心・便利ですね。  :-D
 
FE88ES-Rの裸と、今回改良したMSDBS-1をLIMPで測定し、SpeakerWorkshopにインポートして重ね合わせたグラフです。

29.jpg

綺麗に、ダブルバスレフの形をしています。

でも、Fs(低域再生限界)は、47Hz付近でした。 道理で40Hz付近で歪み感が増えるわけだ。。 とはいっても、実際には40Hz弱まで再生しているので、この差は、測定誤差??

いや、違うな・・ やっぱりスパイラルの製作をミスったのだ。 広がり係数を大きくとり過ぎ、ってことだよねェ。。

続きを読む |  閲覧(21858)
26件のうち1 - 10件目を表示しています。