昨日、巨匠のkenbeさんが書かれたエントリーに関してです。
Stereo誌主催のスピーカーコンテストへの配慮 - ブログ・ハイエンド自作スピーカー(試作と実験)
以前私も、コンテストの審査発表まではなるべく詳しい情報は掲載しないほうが良いと考えていました。
けれども、試聴会と結果発表会を兼ねる形式になり、よりオープンな雰囲気になってからは考え方が変わって、ある程度の節度を持ってすれば遠慮はいらないと思っています。
多くの皆さんもそうだと思いますが、私もコンテストを目的としたスピーカー製作はしたくないと思っていますし、今後の変わらないでしょう。 自分の作りたいスピーカーを作る。 コンテストがあるから目標になってやる気が出るので、それに乗っかるだけです。
2012年に賞をいただいたとき、紙面にどう掲載されるのか楽しみにしていたのですが、自分のアピールしたい部分はずいぶん端折られてしまいがっかりした記憶があります。
なので、書くべきことは、書くべき時に、遠慮なく公開しておいて構わないとの思いを持ちました。 そうしないと逆にタイミングを逸してしまって、途中経過などをきちんと掲載できない可能性があります。 後でまとめるのは面倒で端折ってしまいますし。
途中の試行錯誤がまた後で読み返して楽しいですし、読者の方もそんなところに期待する向きもあると思うのです。
結局は、製作者本人が書きたければ書く、書きたくなければ書かない、それだけのことで良い気がしています。
但し、今回はネットワークのLCR定数だけは肝の部分なので、当分公開しない予定です。 知ってしまったら気になって、色々いじりたくなってしまうという、スピーカービルダー同士の心境も配慮しているつもりです。
私のような稚拙なビルダーが偉そうに言うことではありませんが、今はこんな風に考えているところです。
では。
まあ通らないと思っていた1次選考に通って、長期出張先でやきもき。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、、、でも現物がないから妄想しかできないよー。
その前に、お客様にお願いして、22?25日に休みをいただきました。 4連休でっす。 こんな私のワガママを許していただき、本当に神様みたいなお客様です。大変ありがとうございます。
で、これからどうするかってーと。
22日(木):朝移動、午前中に秋葉で資材の仕入れ。
午後にまず現状再確認。
23日(金):唯一の一日。 この一日に全てを掛けます。
やるだけやったら、決戦前夜祭の一杯と
いきますか、My奥様。
24日(土):決戦当日、午前中に車で千葉→埼玉移動、荷下ろし。
憧れの、故:長岡鉄男氏宅、「方舟」。
でも興奮してる間なんかない。
そして午後。 まあやるだけやったから結果は神のみ
ぞ知る。こんなんでも、一所懸命やったんですー。
<自分のスピーカーが、ハイエンド機器・リスニングルームで
どんな音を奏でるのか。
40名中選ばれた10名の、皆さんの音はどんなのか。>
・・そして、お片付け。
25日(日):たぶん、腑抜けのおやじ。
絵に描いたような、舞い上がったおやじでした。
紆余曲折ありまして色々考えた末、月間stereo誌スピーカーコンテストへの応募は見送ることにしました。 応援してくださっていた方々には申し訳ありません。
応募を見送る理由は、
1、3D-subakoはコンテストに応募できるスピーカーではないこと。
コンテストで本選に出て評論家諸氏や工作先輩方に音を聞いていただくための苦労が、自分がこれまで3D-subakoに注いできた音作りと違うということを実感しています。
3D
-subakoの利点と欠点を承知の上でコンテスト用に設計し直すのならまだしも、現状の3D-subakoにパッチを当てて万人が納得する向きの音に整
えて、「これが3D-スパイラルを使ったSPとして私が現時点で出せる精一杯の結論」と未練がましく言いたくないのです。
やはり3D-スパイラ
ルにも利点があれば欠点もあります。 バックロード動作を強めたスパイラルとしたことで解消された欠点もあれば、より強調された欠点もあって、それらの消
化不良の段階でコンテストに出すのは、私の本意ではありません。 たとえ本選に選ばれる可能性が万に一つしかないとしても。
出すとしたら、3D-ロボット君と3D-subakoから得られた多大な知見を元に、今回のレギュレーション的に評価されそうな、コンテスト用に新設計したもので臨みたいと思いました。
2、自由になる時間の不足。
4月初めより6月中旬まで長期出張となりますので、3月末までに製作・調整作業を完成して応募しなければなりません。 それ以前にも仕事の山を一つ超えねばなりませんので、実質的に自由になる時間が不足しています。
3、コンテストへの取り組み姿勢の間違い
3D-subakoの音だしをしてからコンテストへの応募を一旦決めた時までは、心の余裕を持って楽しく取り組めました。 しかし、応募を決めてからは一転して3D-subakoのネガを消すという後ろ向きの、楽しみとは相反する作業が待っていました。
これも時間に余裕があればまだ良いのですが、上記の時間的制約の中では焦りも手伝って家族サービスに時間を割く余裕すらなくなりそうです。 これでは趣味で取り組んでいる自作オーディオが、家族の中で自ら市民権を放棄したようなものです。
以上のような要因が重なって、今回はリセットするしか無いと結論付けました。 この経験は今後の自作活動に大いにプラスになると思いますし、またいつか機会があれば挑戦したいと思っています。
応募書類も提出したので、この音で確定です。
評価用にZOOM H2nで録音してYoutubeにアップしました。
昨日の日記に貼った特性どおりのハイ上がり気味の音ですが、コンセプトどおりクリアな音質かと思っています。
これなら不釣り合いな「匠部門」でも恥ずかしく無いでしょうか。
曲目
- 大貫妙子 [note] より [あなたを思うと]
- 増田俊郎 [蟲音 続] より [暗鬱]
- 増田俊郎 [蟲音 続] より [雫道]
- Sophie Milman [In The Moonlight] より[Do It Again]
- The Crusaders [Put It Where You Want It]
再生
- PCM 44.1KHz/ 16bit
- ノートPC ドスパラ Diginnos windows8.1 8GB,COREi5-4210M 2.6GHz
- Sound Player Lilith ver.0.991
- DDC JAVS X-DDC
- DAC Accuphase DC-61
- AMP Marantz PM-14SA v2
- Speaker
- 名称:クリアミント
- 形式:3D スパイラル ダブルバスレフ
- 使用ユニット: stereo誌2014年8月号付録
ウーハー:PW80 ツイーター:PT20
録音
- ZOOM H2n
- マイクモード:M-S 120°
- フォーマット:48KHz/24bit
本日は午後出勤で夜半過ぎまでの勤務予定です。
応募済みのスピーカーコンテストの予定をstereo誌編集部に電話で聞いてみましたら、以下のような返答をもらいました。
[1次審査結果発表]
6月14?15に、1次審査通過者のみに電話連絡。
(通過しなかった人には連絡ないとのことです)
[本選]
6月24日(土)に決定。
万が一にも1次審査を通過した場合、23(金)?25(日)は出張先からお休みをいただいて帰郷しなければいけないですなあ。。 まあそんな可能性は本当に万に一つか。(笑) そうは言っても、少しどきどきしてたりします。
クリアミント の匠部門への応募を終え、 応募原稿から大きな変化が無い所で音を良くする策を今後少しづつ練り上げてゆこうと思います。
一方で応募原稿に書いた内容のうちブログ記事にしていない小ネタがあるので、紹介しておきます。
塩ビ管の内面は、並行面が少ないものの、その上下の閉端部分は平面になることが多く、この部分で反射や1/2波長、1/4波長の共鳴が発生します。
これは筒の長さで決まるので、長さを曖昧にすることである程度緩和することが可能です。
今回は、100円ショップで買った 外径100mmの発泡スチロール球体を半分に切断した半球を、上端内面に貼り付けました。設計上は半球ではなく円錐の予定でしたが、よく考えると半球のほうが円柱長さの面積分散がよりリニアになりそうで。結果オーライ。但し発泡スチロールというのはいかにも安っぽい音が出そうなので、何らかの対策を検討します。
写真を見ての通り、空気室内部にはいつものようにシリコンシーラントによる拡散処理も行っています。今回は鉛シートではなく、それより少し安価なオトナシートに盛ってみました。 このシートを空気室内面に貼ることで、内径方向の寸法を曖昧にすることができて、筒臭さの低減効果があると思っています。 吸音材は最小限にしたいので、それ以外の方策で効果のあるものを実施する方針です。
さあ、まだまだ未処理の部分が沢山あるので詰めていかないと。。
一次選考を通過したので、本選に向けて細部の調整をしたいところですが、単身赴任先への引越しを明後日に控え、とてもじゃないけどゆっくり音の調整をできる状態ではありませぬ。
けれども、どうしても気になりやっておきたいことがあり、本日やっつけました。
塩ビ管、特にVP管は厚みがあり、ソケットの寸法公差の関係で、差し込む管の先端部分を削らないと、きっちり最後まで入りません。
今回、全ての直管のソケット差し込み部分はグラインダーでやや細く削ってあり、普通の接続部分はこれでOKです。
しかし、上下に空気室を仕切る仕切り板を挟み込む部分では、差し込み長が短いため削りを少な目にしないいけなかったのに、削りすぎてガタガタ、すっぽ抜け状態になってしまいました。
ここでまたエポキシパテの活用です。 見える部分にはマスキングテープを貼り、パテを薄く延ばして、エポキシがくっつかないように上からコンビニのポリエチレン袋を切った短冊を巻き付け、ソケットに挿入します。
上から体重をかけて少しよじりながら、パテを伸ばすように圧入。 一旦引き抜いて、ポリエチレン袋を剥がし、マスキングテープを剥がしてから、硬化を待ちます。
これでかなりしっかりしました。 全くガタつかないし、上のほうを持ってもすっぽ抜けません。良かった良かった。
2014年stereo誌スピーカーコンテストの応募に向けて、諸々の調整をしています。
パッシブネットワークも確定し、ツイーターPT20の実力も見えてきたところで。。
どうもこのスキマが広すぎる気がして仕方ない。。
PT20ツイーターのマウントプレート中央リングのスキマです。このリング部分でドーム振動板エッジをフェルトリングを介して押さえているのですが、広すぎて抑えきれていない気がします。
バッフル前面取り付けの場合にここにスキマがあると、背圧がこのスキマから抜けて低域だけでなく高域も汚してしまう可能性がありますね。
そこで、3本の脚の部分をヤスリで少し削って、スキマを半分程度にしてみました。 測っていないのでコンマ何ミリなのか不明です。 もしマネして壊しても責任は持てませんのであしからず。 リングの裏に鉛シートを張る方法もありそうです。
そして、このプレート自体も弱々しく、同梱のスポンジシールだけではどうにも心もとないので、裏にエポキシパテで埋めてみました。 スポンジシールを貼ってバッフルに固定してみたところ、実にしっかりします。
水性クリアニス6回塗り仕上げのバッフルにキャップスクリューで留める。バッフル側は鬼目ナットをねじ込み済み。
この加工後の音質は、いやぁエージングの効果もあって変わりましたよ。暴れが減った気がします。まあプラシーボ効果の可能性も否定できませんが、これで雑誌付録のツイーターとは到底思えません。
パッシブネットワークの各素子にはユニット代の倍以上の金額をつぎ込んでますが、それだけの価値のある音が出ます。いやもうビックリ。
その変わり7KHz付近のピークが出現。 これはこの改良の前、エージング後の測定でも出てました。
(画像追加)「クリアミント」の最終特性です。
実はもう応募書類もほぼ書き終えました。
過去3度書類審査を通過していて、通る書類のコツみたいなものはわかっているつもりです。
しかし昨年からレギュレーションが変更され、受賞歴があるので「匠部門」という およそ私の実態には似つかわしくない部門への応募となるため、通るかどうか全くわかりません。
そんなわけで、原稿自体はまだ公開しないにします。 一次審査応募期限の9月17日を過ぎたらPDFで貼るかも。
なお、作品名は「クリアミント」に決定しました。