TOP  >  なーお'nぶろぐ  >  なーお  >  塩ビ管

なーお さんの日記  [ メールで投稿 ]

97件のうち11 - 20件目を表示しています。

[投稿日   ] [タイトル   ] [アクセス数   ]
3月
5 (日)

紆余曲折ありまして色々考えた末、月間stereo誌スピーカーコンテストへの応募は見送ることにしました。 応援してくださっていた方々には申し訳ありません。  

応募を見送る理由は、

1、3D-subakoはコンテストに応募できるスピーカーではないこと。
 コンテストで本選に出て評論家諸氏や工作先輩方に音を聞いていただくための苦労が、自分がこれまで3D-subakoに注いできた音作りと違うということを実感しています。
 3D -subakoの利点と欠点を承知の上でコンテスト用に設計し直すのならまだしも、現状の3D-subakoにパッチを当てて万人が納得する向きの音に整 えて、「これが3D-スパイラルを使ったSPとして私が現時点で出せる精一杯の結論」と未練がましく言いたくないのです。
 やはり3D-スパイラ ルにも利点があれば欠点もあります。 バックロード動作を強めたスパイラルとしたことで解消された欠点もあれば、より強調された欠点もあって、それらの消 化不良の段階でコンテストに出すのは、私の本意ではありません。 たとえ本選に選ばれる可能性が万に一つしかないとしても。
 出すとしたら、3D-ロボット君と3D-subakoから得られた多大な知見を元に、今回のレギュレーション的に評価されそうな、コンテスト用に新設計したもので臨みたいと思いました。

2、自由になる時間の不足。
 4月初めより6月中旬まで長期出張となりますので、3月末までに製作・調整作業を完成して応募しなければなりません。 それ以前にも仕事の山を一つ超えねばなりませんので、実質的に自由になる時間が不足しています。

3、コンテストへの取り組み姿勢の間違い
 3D-subakoの音だしをしてからコンテストへの応募を一旦決めた時までは、心の余裕を持って楽しく取り組めました。 しかし、応募を決めてからは一転して3D-subakoのネガを消すという後ろ向きの、楽しみとは相反する作業が待っていました。
 これも時間に余裕があればまだ良いのですが、上記の時間的制約の中では焦りも手伝って家族サービスに時間を割く余裕すらなくなりそうです。 これでは趣味で取り組んでいる自作オーディオが、家族の中で自ら市民権を放棄したようなものです。

 以上のような要因が重なって、今回はリセットするしか無いと結論付けました。 この経験は今後の自作活動に大いにプラスになると思いますし、またいつか機会があれば挑戦したいと思っています。

コメントあり 2  |  続きを読む | 閲覧(9524) 
3月
6 (月)

さて、コンテストは見送りましたが、3D-subakoの改良を止めるつもりはありません。 折角楽しんでできる状態に戻ったのですから。

土、日の夜に、密かにミルクプリンを内製しておりました。 それがまた、見栄えは不味いが隠し味がうまいのなんのって。 平べったい渦巻き君との相性がバツグンで。。
さて、これはなんの事でしょう? あはは、 3D-subakoの下に置いていたディフューザーに手を加えた物の事です。 以前の積層合板の上に、 シリコンシーラントで盛り付けしてみました。  こんな見栄えの悪い物に気柱共鳴の聴感上の緩和効果があると思いますか? それがかなりの効果があるんで すヨ。

pudding.jpg

 これはL側のスピーカーのスパイラル出口を撮影したものでして、下から見上げたとき螺旋音道はCCW(左回転)で降りてくる構造です。 丁度ユニットの 180度裏側辺りが螺旋仕切りの末端でして(画像の○印の奥)、そこからディフューザーで導くように空気の流れを作るものです。

で、今回の実験でなかなか面白いことがわかりました。 そのポイントは・・

1、円周長を有効に活用した音圧分配
 ヒラベッタ型の3D?スパイラルホーンは、ホーン出口の音圧方向が、Takenaka氏オリジナル設 計よりも円周方向に残っている。 オリジナル設計は細めの管で出口のベクトルは開口部方向にかなり向けてあるものが多く、おそらく出口方向に向いているほ ど出てくる音圧はよりダイレクトに向かってくるでしょう。
 一方、平べった型では逆に円周方向成分が多く残っていますので、そのまま筒の中を周りながら降りてきます。 (もちろん、筒はここで切れていますから、切れ目から外へ飛び出そうともします)  まずはこの円周方向の音圧成分を利用します。

2、開口寸法の最適化
 上記音圧分配は、ただ開口があるだけでは そこから一気に抜けてしまって、分散効果があまり得られません。
  今回の試みとして、仕切り端の所で開口幅を一旦狭めた上で徐々に広げてゆき、一周する頃にまたすぼめる、という寸法設計にトライしてみました。 元々スパ イラル開口部の面積は大きすぎるくらいに十分ですから、このようにスパイラル中心付近を狭めていっても十分な開口面積が取れます。 勿論あまり絞りすぎる と詰まった音になりますが、ホーン出口面積より広い分には大丈夫のようです。
 こうして開口寸法をコントロールすることで、音圧分配が中域から中 低域、低域にかけて割と均一に行われるようです。 気柱共鳴の聴感上の「ちらし」効果に加えて、低域の量感向上にも寄与しています。 より広い面積に放射 上に音圧を作る効果だと思いますが、最近使っていなかった「バックロード的な低音」という表現をまた使いたいと思う程の変化です。

3、気柱長さの分散
 これは推測に過ぎませんが、subakoでは160Hz付近で起こっている1次共鳴。 約1m程度の気柱相当の共鳴で す。 3D-スパイラルでは、気柱共鳴の起きる音道長さは、スパイラルの中心径に寄って来るようですので、ダクト共振計算に使う音道長さの半分ほどの長さ の気柱共鳴になると考えられ、 これが一般的なバックロードホーンとの特性差に(良くも悪くも)繋がっていると私は考えています。
 で、この気柱長さを分散できれば、共鳴のピークが分散される可能性があるわけです。
 今回の構造ですと、開口面積を絞って気柱長さを先に延ばしたような格好になっていますので、仮に円周の1/2の長さに沿って分散したとすると、
外筒の内円周長が 195mm x π x (1/2) = 306mm
と なり、元の長さの30%もの長さで分散される可能性がありそうです。 もちろん、スパイラルの仕切り自体はちょん切れた後ですから、完全に分散されること は無いとは思いますが、耳で聞いた限りでは効果がかなりあります。 測定するとどうなるのか、次回はトライしてみたいと思います。

 以前「スパイラル出口に邪魔板を置くと、共鳴の減少効果がありそうだ」 とアナウンスしたとき、kumasanがH-75でトライしていただいた のですが「効果なし」との結論でした。 その時は「平べったい形でないと効果ないのかなあ・・」 と思ったものですが、 上記3、の効果は外筒の径に大き く依存しますし 1、の音圧ベクトル方向の違いも加わりますので小口径スパイラルではあまり効果が出なかったことの説明もつきそうです。

 なお、この出口ディフューザーはまだまだ奥が深そうでして、日々(夜な夜な)形を変えては試行錯誤を行い、最終的には積層合板のサンダー掛け品で新作し、完成品を作り上げたいと考えています。

コメントあり 4  |  続きを読む | 閲覧(15532) 
3月
12 (日)

 ミルクプリン型のディフューザの有無でF特の変化があるかどうか測定してみました。 結果は、もちろん変わってはいたのですが想像していたような大きな変化ではありません。
「.._nodiff..」がディフューザ無し、「.._diff..」が有りです。「.._dif2..」は後で出てきます改良仕様です。

subako-dif2-test060312.gif

 Port出力では、出口を絞っているせいで低域レベルが高めに出ていますが、160Hz付近の共振周波数が少しさがり山の高さが相対的に低くなっています。一方300Hz付近から上の周波数では、逆に「綺麗に」共振が出ているように見えます。
 どうやらこの方式では、共振を抑制することはできないが、聴感上の共振音の歪み感を減らすような効果に向いているということのようです。 前回の記事での「3、気柱長さの分散」という項目を挙げましたが、この効果は推測どおりではなかった、ということもわかりました。 なかなか難しいです。

 色々ソースを変えて聞いてみると、結局ピアノの中音やギター等ではユニットとダクト開口部との音圧干渉があります。 ディフューザーで散らしていても、「全体的に濁っている」感じが付きまといます。
 ではこのままで良いのかというと、もちろんまだ前に進まねばいけません。 
(1)サックスの低い音が篭らず ・・150?300Hz
(2)ギターの音が共鳴せず ・・200?400Hz
(3)ピアノの音が干渉しない ・・400?1KHz
(4)でも低音は元気に出したい
という状況にできるだけ近づけたいのですから。 特に(1)?(3)は聴き方によっては同じように「干渉」しているだけのように見えますが、色々試した結果、現象はすべて別のカテゴリに分類できそうです。

(1)は篭り音なのでディフューザでスムーズに広げることが大事。
  塞いで閉じ込めるような対策は逆効果。
(2)はダクト出口からの直進性の低い音波が回り込んでユニット
  前面の音と共鳴します。できるだけ開口部を離すのがベター。
  または、音波の通り道を堰き止める。
(3)は直進性の高い音波の干渉ですから、音圧のベクトル方向を
  ユニット前面の方向とは別の方向に向けるのがベター。

 ということで、いろいろごにょごにょシリコンでやってましたが、何しろべたべたするし固まるまで半日はかかります。 そこで、禁断の「発泡スチロール」を使うことに。。

subako-dif2test.jpg

 発泡スチロールの利点は、もちろん自由な加工がすぐにできることです。 音波で共振してしまいますが、予察テストを行うにはこんなに都合の良い材 料はないです。 今回のこの画像の状態にするのに、片側30分で終わっちゃうんですから。 (スチロール同士の接着は、シリコンシーラントを使いまし た。)
 後方右側に見える小さな開口と、画像ではわかりませんが左側はもっと大きな開口を設けてプリンデフューザの周囲(発泡スチロールの裏)を回って出てきた低域が拡散しやすい形状となっています。 左右に低域を放射することで、音圧低下を最小限にできます。

 測定結果は冒頭の測定グラフの「..dif2.Farfield」です。  Port出力も測定してみましたが、なぜかうまく測れませんでした。  高域を見ると測定レベルが少々高めだったようで、その分差し引いて見てください。 50?100Hzの音圧が相対的に上昇。 160?200Hz付近の 音圧が下がって、200-500Hzの暴れが減って。 1KHzの音圧が下がって干渉していないような感じです。 今回ほど聴感上の効果が測定結果にはっ きり現れたのも始めてです。 ニンマリ。 もちろんメリットだけではありません。 中低域のダイレクト感は少し減退(バックロード的な低音から、また離れ てゆく・・)。 チェロの胴鳴りも少し遠ざかった感じです。 低域と中域・中高域の一体感が少し薄れたでしょうか。 全体的なまとまりはずいぶん上がりま した。(1)?(4)の平均点が上がる様に煮詰めていった結果ですから、当然といえば当然ですね。

 なお今回は(2)(3)の対策がメインでしたが、その前提として(1)の対策であるプリン型ディフューザーが有ってこそ、全体がまとまったと言え ます。 もう少しごにょごにょテストして最適形状を見極めた後に、積層合板化したいと思います。 それまでは少々音が悪いですがスチロールでガマン(笑)

コメントあり 2  |  続きを読む | 閲覧(13345) 
3月
14 (火)

12日の記事で、ディフューザーをだいぶ煮詰めている状況ですと書きました。
その後、スチロール形状の削りこみや、ディフューザへのシリコン盛りなどでずいぶん音が落ち着きました。 しかし、改めて聞いてみると何だか全然面白みのない音になっちゃいました。あーあ。 苦労したのに。 少しブルー。
ここはひとつ、思い切って変えてみるか! ってなわけで、3D-ロボット君を作ったときに考えていた、下面開放型にトライしてみようと思います。
具体的には、↓の画像のように下面にはできるだけ障害物(特に水平面)との距離を取るようにします。

under_free.jpg

予察なので箱なんぞ使っていますが、スチロールを丸く切ったディフューザー代わりの物も一応載せて。

さて、音のほうは・・
おー、フレッシュさが戻りました!  低域は締まって量感が減ってしまいましたが、中高域は音像が浮かびます。 いい感じ。
あとは蓄積したノウハウを元にディフューザーを工夫すれば、これは新たなブレークスルーになりそうな予感。  中域が床で反射して定位がふらつきそうな気もしますが、音質優先だーね。

実際には、図のように中心が砲弾型のディフューザーにするつもりです。

under_free.gif

 外筒を延長するような格好にする理由は、ここを延ばせば500Hz以上の中域がぐるっと回って丁度反対側から後ろ向きのベクトルに音圧方向が変わることを狙っています。
砲弾型ディフューザーの下は、前後の柱を除いては床まで何も無い構造。 さて、今月の下旬に、作る時間があるかな・・  本当は一発予察を入れたいけれど、そんな余裕はないな。

<060315追記>
この形で少し予察をしているんですが、アコギの音の共鳴がひどくって。。 低い周波数の共鳴は対策が難しいです。
やっぱり元のプリン型に戻してみるか(笑)  プリン型も完成度はだいぶ上がって平均点は高いのだけれど、結果として中域の膨らみが取れたから「面白みのない音」になっちゃったようです。 色気と共鳴は紙一重ってことか。

コメントあり 2  |  続きを読む | 閲覧(14974) 
3月
26 (日)

最後の悪あがきで、3D-subakoのディフューザーの製作に着手しました。

使用した材料は、 25mm厚シナランバー材です。 このランバーコアには、パイン材(松)が使われています。 SPボックス本体ではないので、音質に与える影響が少ないと考えて少々安価な材料にしました。 それに25mm厚であれば、重ねる枚数も少なくてすむので積層工法に向いています。
板取り中の画像。

dif-cut.jpg

 6種類7枚x左右分の寸法の異なる部品を間違いなく切り出すために、今回は型紙を作り転写する方法で板取りしました。 型紙を裏返せばミラーイメージになるわけです。 板取設計図なしでもできますし(笑)。

dif-1.jpg

切断と1次グラインディングが終了し、仮組み状態。まだ接着していません。 ケーブルの通し場所に苦労しました。 少々使い勝手が悪いです。

dif-2.jpg

良く見ると、グラインディングがいい加減なのがわかりますね。 接着前に、もう一度手を加えます。

さて、接着もしていない仮組みでの音ですが、低音は良くでるようになりました。(開口面積が増えたようです。) スピーカーの左右を入れ替え、音道 を半回転分長くしたおかげか、簡易測定では35Hzも十分に出ています。(32Hzは少ししか出ない。急降下しています。) ただ、中低域の音漏れ・こも りが増えてしまいました。
結局、出口にほんの少し吸音材としてサーモウールを詰めました。 これがかなり効きまして、良い感じになりつつあります。 まだ油断はできませんが、経過は良好ってところでしょう。

では、次回(ラストスパート?2)の報告をお楽しみに! 

コメントあり 2  |  続きを読む | 閲覧(15185) 
3月
29 (水)

 一時期封印した月間sreteo誌の「読者スピーカー誌上コンテスト」への応募ですが、 筆者のねちっこい性格が幸いしてか、ラストスパートでほ ぼ満足のゆく結果を得まして、応募することにしました。 stereo誌への投稿は、10年ほど前に super-swan改「目玉おやじ」を工作人間に 投稿した以来です。
 再び応募することにした理由は、

  1. 一部欠点もありますが、自身でもほぼ満足できる音質バランスを得られたこと。 その間に一つの大きなブレークスルーとして「SP左右を入れ替え、後ろ側のあったホーン開口を前まで廻して、そこからディフューザで放射開始することで、中高域のベクトルを横?背後方向に変更し耳に付きにくくできる」ということがありました。 おまけに、低域も35HZまで伸びました。
  2. FE88ES-Rの1発使用は今回のコンテスト向きの構成ではありませんが、3D-スパイラルホーンSPの新たな音質傾向として評価できる点があるのではないかと思ったこと。
  3. 数名の人からいただいた、暖かいエール。
     時間がなくて滑り込みセーフ、というか仕上げなど水性ニスを2回塗っただけで全く不完全な状態。 下部の支持台兼ディフューザーも垢抜けないデザインでして格好悪いですが、まあ仕方ないでしょう。

 以下、応募原稿の草案です。
***
(1) コンセプト
 FE88ES-R を1発使用の、3D?スパイラルホーンスピーカー「3D-subako」です。昨年10 月頃より、3D-スパイラルご本家竹中さんのページを参考に自分なりにアレンジした4作目となるもので、長い付き合いのできるメインスピーカーとして設 計・製作しました。

subakofront.jpg

 過去の3作で予察を行いながら、ご本家オリジナルとは少々異なるアプローチで設計しています。それは、軽量コーン低Qのユ ニットでもよりBHに近い低域で量感を確保しながら、最低域をバスレフ動作で40Hzまで伸延する2モードを明確に区分けした「ヒラベッタ型3D-スパイ ラルホーン」としたことです。

 その結果、BHに近い弾み感のある低域・中低域と、35Hzまで実用レベルで伸びた重低域を得ることに成功しました。
但し、3D?スパイラルホーン特有のショートホーン故の中域放射が特徴的な音作りとなっています。

(2) 設計
【設計諸元】
外形寸法:(支持台含む) W250xD350xH500mm
使用ユニット:Fostex FE88ES-R x 1本/片側
空気室容積:3.5L (形状=箱型、材質=t18mm シナアピトン合板)
スパイラル管径:VP200 使用、195mm
スパイラル管長:26cm
スロート入口高H0:4.5cm
スロート面積S0:37cm2 (ユニット面積比=1.0)
ホーン出口面積S1:61cm2
音道回転回数:3回(スパイラル巻回数:4回)
ホーン長(平均半径基準):105cm
ホーン長(ダクト内空気容積基準換算値):177cm
ダクト共振周波数fh0(ダクト内空気容積基準換算値):42Hz
支持台材質:シナランバーコア(コア:パイン材)t25mm

 スパイラル管径200mmは、私の知る限りでは現時点で最大級です。径を大きくして管長を短くし、BH動作を高めることとホーン開口をユニットから離さずコンパクトな良好な音像定位を狙います。
 また、開口部は度重なる予察の結果内向き対向として低域の量感不足を補います。

(3) 製作

spiral.jpg

200mm 径スパイラルは、6mm 厚のキャプタイヤケーブルを13周巻き上げています。これだけ大きいと、最外周までキャプタイヤで固めてしまうと固くて挿入できません。今回は、最後の1 周(厚みにして2mm くらい)分は「すきまテープ」スポンジを使い、多量のエポキシ接着剤で塩ビ管に接着しました。

box_060212.jpg
temp.jpg

 空気室と積層頭頂部スロート部分には、音質への影響を考慮してシナアピトン合板をMAKIZOU クラフトさんにカット依頼しました。
 定在波対策として、空気室内には補強と共鳴防止材を追加しています。

subakoside.jpg

 今回最も時間をかけて調整したのが、下部の支持台兼ディフューザーです。特に今回の設計では音道が長く面積も広いので、3D-スパイラルホーンの特徴的な 中域の気柱共鳴が大きめに出ましので、これを耳に付きにくくする「散らし」構造の採用と、低域の量感維持との両立に苦心しました。

(4) 試聴とチューニング
 低域はだら下がりながら、35Hz まで十分に伸びてそこから急降下という特性です。
ダクトからの中 域輻射量が多く、音に厚みを付加しているほか、ディフューザの効果により空気室は吸音材無し、ディフューザ出口に少々の吸音材を置いただけでも、耳に付く ような共鳴音はかなり押さえられ、音質劣化を最小限にできました。特に中低域は音源ソースの音質を良く再現してくれていると思います。
 一方で中域、特にアコースティック系のホーン楽器やギターなどで少々の「エグ味」が顔をのぞかせますので、これが本作の音質上の特徴の一つになっています。
 最終調整により、自身も満足できる音質バランスを得て、無事に拙宅のメインスピーカーの座をSuper-Swan から譲り受けることできました。度重なる相談に乗っていただきました、3D-スパイラルホーン開発者の竹中様に、あらためまして感謝致します。

3、補足資料
(1) F特(使用マイク:Behringer ECM8000 補正あり)

subako060328mysp.gif

軸上1m、部屋内での特性で、壁効果も多くありますので低域は差し引いての評価が必要です。但し、リスニングポジションでは左右の内向き開口の恩恵で低域 レベルダウンは少なめとなっています。55Hz付近の谷は、BH動作とバスレフ動作がクロスする時の位相関係によるものと思われます。

subako060328spkws.gif

SpeakerWorkshop での測定結果も添付します。

(2) インピーダンス特性

3dsubakol060216impedance.gif

 3D-スパイラルでは、一般のバスレフと異なり、ダクト共振周波数のすぐ下に(本作では38Hz 付近)第1ピークが現れます。また、121Hz のf0c の上に第3ピークがあり、BH 動作を裏付けています。

(3) 空気室設計図

3dsubako.jpg

以上

続きを読む | 閲覧(16103) 
4月
1 (土)

stereo誌への応募は送付しましたが、最後の悪あがきでディフューザを調整しています。
現状の姿

diff060401.jpg

以前よりも、板1枚分を切り込んで更にその下の板も削り込み、管物の篭り音を減らして、中低域のダイレクト感を出せるようになりました。
いや、実は以前の「耳人間の本領発揮」記事で も書きましたが、筆者は変に篭った音を聞いていると前頭葉の後ろの方がぼーっとしてきて、眠くなるんですよね。 3D-subakoを聴いていたら何とそ れが襲ってきまして。 そりゃまずいでしょ。 音が悪いってことですから。 ディフューザの入り口 -> 出口の間で、絞られていたせいで音が篭っていたようで す。
で、上記の対策を行ったら、すっきりくっきり。 眠くなくなりまして。 これで仕事中も大丈夫(笑)。 まあ出張しちゃいますけどね。

端のほうにちょこっと置いたサーモウールも、びっくりするくらいに音が変わります。 特に低域。 バックロードの音程感の出にくい感じが、これを置くだけで落ち着いて音程が良く出るようになります。 驚きです。
というわけで、出張前はこの辺にしておきます。 帰ってきたら、最終のブラッシュアップをします。

続きを読む | 閲覧(12815) 
6月
12 (月)

本日は午後出勤で夜半過ぎまでの勤務予定です。
応募済みスピーカーコンテストの予定をstereo誌編集部に電話で聞いてみましたら、以下のような返答をもらいました。

[1次審査結果発表]
 6月14?15に、1次審査通過者のみに電話連絡。
 (通過しなかった人には連絡ないとのことです)

[本選]
 6月24日(土)に決定。

万が一にも1次審査を通過した場合、23(金)?25(日)は出張先からお休みをいただいて帰郷しなければいけないですなあ。。 まあそんな可能性は本当に万に一つか。(笑) そうは言っても、少しどきどきしてたりします。

コメントあり 2  |  続きを読む | 閲覧(10166) 
6月
14 (水)

本日夕刻、スピーカーコンテストの1次審査結果がstereo誌編集部より電話でありまして。 万が一だと思っていたのに、なんと通過だそうです。
相当苦労した分、内心かなり嬉しいんですが、方舟で他の友人・知人の皆さんにお会いできるのかどうかが気がかりです。。

でも折角行くのですから、 無謀にも「stereo誌8月号にカラーで載ること!」 を目標にして行ってきます。 ・・・ とはいっても、出張中の身ですから最終調整は本選直前の1日しか時間が取れないんですけどね。(涙)

PS:
応援していただいた方々、3D-スパイラルスピーカー本家のTakenaka様、そして集まれ塩ビ管スピーカーの皆様にはこの場を持ちまして御礼申し上げます。 ありがとうございました!
 

コメントあり 11  |  続きを読む | 閲覧(14168) 
6月
19 (月)

まあ通らないと思っていた1次選考に通って、長期出張先でやきもき。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、、、でも現物がないから妄想しかできないよー。

その前に、お客様にお願いして、22?25日に休みをいただきました。 4連休でっす。 こんな私のワガママを許していただき、本当に神様みたいなお客様です。大変ありがとうございます。

で、これからどうするかってーと。

22日(木):朝移動、午前中に秋葉で資材の仕入れ。
       午後にまず現状再確認。
23日(金):唯一の一日。 この一日に全てを掛けます。
       やるだけやったら、決戦前夜祭の一杯と
       いきますか、My奥様。
24日(土):決戦当日、午前中に車で千葉→埼玉移動、荷下ろし。
       憧れの、故:長岡鉄男氏宅、「方舟」。
       でも興奮してる間なんかない。

       そして午後。 まあやるだけやったから結果は神のみ
       ぞ知る。こんなんでも、一所懸命やったんですー。

 <自分のスピーカーが、ハイエンド機器・リスニングルームで
   どんな音を奏でるのか。
    40名中選ばれた10名の、皆さんの音はどんなのか。>

        ・・そして、お片付け。

25日(日):たぶん、腑抜けのおやじ。

絵に描いたような、舞い上がったおやじでした。

コメントあり 2  |  続きを読む | 閲覧(9461) 
97件のうち11 - 20件目を表示しています。