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なーお さんの日記  [ メールで投稿 ]

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5月
18 (金)

コンテストに向けて少しずつ進めてきましたが、仕事が混んできてこの先時間が取れそうにないので、現状で応募原稿を書きました。 これで提出するつもり。

twister_front2.jpg

・作品名称: 「Twister
・本体寸法: W300mm x D300mm x H500mm
・使用ユニット: FE103E x1、FE107E x1、XT25SC50-04 x1 (片側)

■コンセプト
・ 中域を中心に、低域?高域まで十分に伸びたバランスの良い聴き疲れしない音で、フレッシュさも出すため軽量コーンのフルレンジをネットワークスルーで鳴らしたい。
・ 低域は前作(3D-subako)のコンセプトを踏襲し、小型化が可能で「軽く聴き疲れしない」低域をもつ円筒型3Dスパイラルを採用し、その「広帯域バ スレフ」の特徴を生かして前作より十分な中低域の量感を確保する。 高域はメインのフルレンジをスルーで使いながらも、ツイーターと上手に繋げてバイオリ ンの音を「より、らしく」再生したい。
・ 主宰する「積層スピーカーの会 http://www.sekisou.org/ 」発足記念として、短時間でインパクトのある積層スピーカーを作り上げたい。

■設計
・ ユニットの選定は、前作の「ユニットの素性の良さに依存」から脱却し、容易に入手可能なこととナチュラルで中域が豊かなことからメインは「FE103E」 に決定。 ツイーターには、伸びと能率・小型マグネットでフルレンジと近接配置が可能で違和感なく繋がる音質の、Vifa(Logic)のリングツイー ター「XT25SC50-04」を選定しました。
・ フルレンジをスルーだと高域に位相特性の相違によるツイーターとの干渉が出て音を濁します。 今回、インピーダンスや位相も含めた事前の測定・シミュレー ション(ARTA・LIMP + SpeakerWorkshop)により、FE103Eをツイーター基準で同軸上30°「あっち向いてホイ!」することで、フルレンジの高域を自然減衰さ せて比較的スムーズに繋がることを確認して進めました。 実際にはXT25を内側15°、FE103Eを外側15°振っています。
・ 低域は前作の「中低域の薄さ」を補うためにFE103Eを2発使う計画で始めました。 2本目(下側)はツイーター基準で60°ネジって高域を減衰させます。 当初は2本ともスルーの予定でした。(音出し後にコイルを追加、1本をFE107Eに変更)

netsim0705112.gif

・ ネットワーク(完成版)は図のようになっており、中?高域にかけてスムーズなsimulation結果を得ています。(5?10KHzで干渉が出そうですが目をつぶります・・)

twister_sim0705112.gif

・ 箱の設計は、今回サイズの制約があり苦労しました。 2本のフルレンジの空気室?スパイラルダクトを完全に分離して独立した動作調整が可能とするため、スパイラルを2条スパイラルにしました。全積層構造の円筒型スパイラル(それも2条)は今回初挑戦です。。
 また、ダクトからの中高域の漏れの減衰効果と、中低域の伝達効果を上げるために、下部BOXを内臓しています。

■命名  スパイラルでネジって、ユニットもネジるので「Twister」(別名:「ネジったの?」)と命名しました。

■製作

cutting1.jpg

・ 主材料は、積層に使う15mm厚600mm x 300mmカットのシナベニヤ。 これを32枚積層します。設計では33枚でしたが、厚みが15.5mm/枚あって1枚減らしました。 図面から原寸大の 型紙を作成し、板にケガイて、ジグソーでひたすら「くりぬき」作業です。(写真の左奥がくりぬいた端材の山。まだ半分くらい。エコに反する製作法だなあ) くりぬくだけで丸2日かかりました。

blocks.jpg

・ 積層法では、各層の密着?剛体化がポイントになります。 今回、M8-L480mm長ネジによる締め上げ法を採用。 ブロック毎に接着剤を塗っておき全体 を締め上げてバラす、の繰り返し。 最終調整のために4ブロック分割可能とし、接続面にスポンジテープを貼ってエア漏れを無くしています。 締め上げれば 剛性も十分。

duospiral.jpg

・ スパイラルの各ディスク端面は、45°均一面取にとどめて作業量を削減しました。 音質的な劣化はあまり感じません。

■音出し?評価
● 高域  薄すぎず、でしゃばりすぎず、満足できるバランスを得られました。 弦やハーモニカがFE88ES-Rほどうるさくならず、けれども実在感があって実に良いです。 でも解像度や音場感は前作のほうがやや良かった? 変形バッフル形状の影響か。。
● 中域 フルレンジ2本ともスルーでは中域が張り過ぎ、2本目に7mHのコアコイルを入れました。 これでバランスが取れて、ボーカルのフレッシュ感・しっ とり感もよく出ます。 ただ、前作に続き下面開口ダクトからの中域の漏れがあり音のクセを若干感じます。 また、空気室が変形形状のためか?定在波もあり ます。 今後、下部ダクトや空気室内部調整など時間をかけて煮詰めてゆきます。
● 低域 バランスはこれまで作ってきた3D-スパイラルSP中で最良です。 コイルが入り軽快さが若干落ちましたが、もう1本がスルーなのでベースの弾み 感、チェロ・コントラバスの胴鳴りなどもいい感じです。 決してハイスピードとは呼べませんが、ドローンとした重い低域を長時間聴いていられない私には必 要な軽快さ、でも35Hzまでしっかり伸びてオーケストラもOKです。(下記F特は部屋の測定なので低域レベルは高めに出てます。)
twisterimp070516.gif twister1m070516.gif

● 総じて目的は達成できました。 サイズの制約がなければ設計の自由度も増して解像度なども前作を超えられるかも。。 いつか改良版をトライしてみたくなる作例でした。

参考:設計図
disk516.gif ue.gif
sita_1.gif outside_5.gif

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5月
11 (金)
twister_front.jpg

 Twisterがほぼ組みあがり、内部塗装(木工用ボンド)1回塗りと、外部塗装(水性クリアニス)2回塗りまでとりあえず終えて、音出しを開始しました。

 当初、2本ともFE103Eでネットワークスルーの予定でしたが、仮組み音だしで中域のレベルが高すぎので、1本をFE107Eに変更し、7mHのコアコイルを入れました。

 結果・・

twistercoil1m070511pinknoise.gif

 狭い部屋の中での測定なので低域レベルは高めに出ています。
 100Hz以下の低域と高域は素直な特性 (60Hzのディップは部屋の影響)で、これは狙い通り (^^)v。 しかし、中低域?中域にかけて、大きなピーク・ディップがあります。

twisterport1070511distortion.gif

ポート出力では、180Hzにとてつもなく高いピークがあります。 他はsubakoで見慣れた特性に近いので大体対処できそうなんですが、この音域の ピークは・・ スパイラル気柱共鳴の分散処理をまったく考慮しなかったのがいけなかったか・・  これは対処不可能かも。。 いや、アイデア捻り出して下 部BOX部分だけ作り直すか??

【現状の音の評価】

  1. 中高域?高域
     FE103EとXT25SC50-04の繋がりは、事前にsubakoで各ユニットのNearField測定?SpeakerWorkshopで位相関係も含めてsimuっていたとおり、薄すぎず、でしゃばりすぎず、満足できるバランスを得られました。

     このお陰で、弦やハーモニカがFE88ES-Rほどうるさくならず、けれども実在感があって実に良いです。 でも解像度や音場感はsubako+FE103Eのほうが良かったかも。 変形バッフル形状が災いしていると思われます。
  2. 低域
    twister_sim070511.gif
    netsim070511.gif
    SpeakerWorkshopでのsimu結果です。 どうやら180Hzのピークは、コイルの減衰肩の盛り上がりで増幅されているようですね。
     音は若干歪感がありますが、バランスはこれまで作ってきた3D-スパイラルSP中で最良です。 2本使ってコイルを入れた効果は絶大。    また、ウッドベースの弾み感、チェロ・コントラバスの胴鳴りなども、軽い低域のためいい感じです。 決してハイスピードとは呼べませんが、ドローンとした重い低域を長時間聴いていられない私には必要な軽快さです。 軽いけどそこそこ下まで伸びている、という。
     最低域は35Hz付近。32Hzは出ますがレベルは下がります。 でもまあ、こんなもんでしょう。
  3. 中域
     FE103Eのナチュラルな中域で、ボーカルなど自然。
     スパイラルの気柱共鳴が強く出てますので、アンサンブルなどでステージの反響音が干渉しているソースでは、その干渉が大きく聞こえて苦手。 フルオーケストラならば大丈夫。

 以上、音出し一発目としては、及第点レベル。 このままではコンテスト投稿も今ひとつ乗り気が削がれます。 どれだけ改善できるかな。。

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5月
2 (水)

Twisterの積層各板のくりぬき?spiralフィンの45度の面取りが終了しました。

twister_sekisou.jpg

 画像のL側は、M8-L480mmの六角溶接ボルト(ユニクロメッキ)を仮止めしてみたところ。長さはやや長めですが、接着剤をつけて締め込めば、ちょうど良い感じになりそうな予感。
 スパイラルのフィンは、この時のような風車模様にするのは「やめ」にしました。 なんといっても、加工が大変すぎますし、強度も落ちるし、どれだけ音質向上効果があるかというと ?疑問符がつきます。

duospiral.jpg

 よって今回は現実的なところで 一律45°程度にグラインディング加工としました。 最内周は大体滑らかに繋がってます。  まあ、これでも作業時間はほぼ3時間、かかってしまいましたが。 (汗)

 現状の完成度、40%くらいですが、最大の山場を乗り切りましたし、残りの暫くは、まとまった時間が無くても進む内容です。
・ブロック毎に接着
・ツイーター取付穴加工
・一部の内部補強
・バッフル板加工・接着
・ブロック毎に内部塗装
・外部仕上げ塗装
・音だし?ネットワークおよび下部音響ダクトなど各部の微調整

という手順で進めます。 GW後半は出かけることが多いので、その後の平日、仕事がない時にでもコツコツと・・ 

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