久々のオーディオネタです。
下記JSP研究所の 「歪まない重低音のスピーカー」 のページを読んでみてください。
JSP研究所のページ
まだその音を聴いたことは無いのですが、低音の増強/伸延効果があるらしく、 JSP研究所のサイトと、 集まれ塩ビ管スピーカー のサイトに、自作された方の作例が報告されています。
私の好みとして「軽くて深い低音」「軽くて速くて深い低音」(061102加筆)を追い求めていまして、 だからこそ最近「3D-SPIRALホーン」にこだわってきたのですが、 ここにJSP方式という新たな興味が加わりまして、 その動作を直感的に考察しています。 今日はその内容を書き留めておきたいと思います。 読まれた方の感想をお待ちしています。
【前置き】
まず、この記事は、JSP方式の低音増強の原理(?) を私が勝手気ままに推測したものです。 全くの妄想に過ぎないかもしれませんし、完全な的外れかもしれません、ご容赦ください。
[推測1] JSP研究所のページを見ると、その最大の特徴は ユニットの周囲に同心円状に配置された複数のバスレフポートだと考えます。 この同心円状のダクトからの空気輻射が、ユニット前面の空気と連動して共振することで、低域の増強/伸延に結びついているのかと思います。 |
[推測2] 一般的に、バスレフポートをユニット近くに置いたからといって、低域を増強させたり延ばしたりすることは難しいと思います。 それどころか、バスレフポートの共振周波数より下では、ユニットとポートの間での空振りが早めに訪れて低域が急降下することもありそうです。 JSP方式のように同心円上にダクトを配置することで、これとは違う何らかの作用があるのかもしれません。 例えば、ユニットに対して2つのポートを直線状に対峙する位置に設ける場合を想定すると、反対側のポートの振動が、空振りの際の空気の流れを抑える方向に作用するであろうことは、容易に想像できます。 その状態はすなわち、ユニットとポート前面の空気が同期して共振している状態と考えられます。 更に90°間隔で4本のポートを配置することで、その効果は高まると思われます。 ポート前面の空気が(実際にはその空気の質量が) ポート内の空気と同期して共振すれば、その時の振動周波数は下がります。 下記バスレフポート共振周波数計算式で ポート面積Sと空気室内容積Vは変わらず、ポート長Lが大きくなったことと等しい効果です。 ★ Fd=160√(S/(V*L)) ・・[1] (実際にはLに実効ポート半径rなどが加算され ますがここでは省略) |
[推測3] ポート前方の空気の同期共振する質量と共振周波数の伸びの関係を、上記計算式 [1] から計算してみます。 まず、[1] 式から定数およびポート面積Sを一定として下記 [2] 式を考えます。 ★ 1/√(V0*L0) ・・[2] ここで、 仮に JSP方式でポート前方の同期共振空気質量が、ポート内空気質量の3倍と仮定して考えるとすると、[2] 式は |
[推測4] 次に、 空気室内容積とダクト長を変えて、ポート共振周波数を同一にした場合に、 [2] 式の状態はどうなるかを考えます。
まず 、空気室内容積を2倍にして、同じ共振周波数を得ようとすると、ダクト長は1/2で良いことになります。 続いて この[4] 式でJSP方式で [推測3]と同じ質量が同期共振するとすれば、
★ 1/√((2V0)*(3L0+L0/2)) =1/√(7(V0*L0)) この結果、同じポート共振周波数ならば 空気室内容積が大きいほど、 JSP方式による低域伸延効果が高まるということになると考えられます。 |
【まとめ】
あくまで推測の積み重ねで考察してきましたが、直感的にこのような効果はありそうに思っています。 どうでしょうか。
☆☆ ここまで考えると、作ってみたくなりますねえ。
**061101 追記
この推測は、バッフル前面の空気がダクトと同期共振する、という考え方なんですが、 どうも 「バッフル形状が正方形や円形でないと効果が出ない」 ということが引っかかりまして、 もしかしたら 「空気室内の空気の一部が、同期共振しているんではないか?」 などと考え始めています。 空気室内の空気が分割振動してるんかいな。。