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トンネルの山姥

7月19日

いつもと変わらない塾の帰り。

「バイバイ!悠斗!」親友の祐樹が手を振ってきた。

「おう!じゃあな!」悠斗も手を振り返す。

悠斗の家は塾から2,3キロ離れている。帰り道には、分かれ道がある。

左へ行くといつも通っている道だが、少し遠いのだ。

しかし、右の道は近いが母はなぜだか「右へ続く道はずえぇぇぇぇぇったいに、ダメ!」と大げさに反対している。

「まあ、一度ならいいよな。」そうつぶやいて右の道へ歩いていった。いや、引き込まれていった。

その先にはトンネルが広がっていた。

「でけえ・・・ま、おもしろそうじゃん!」だが、もう夜の7時をすぎた。

しかし悠斗はここまで来て引き返す気にはなれなかった。

トンネルに入って少したつと、なにやら「ふぉ、ふぉ、ふぉ。うれしや。やっと生きの良い魂が迷い込んだ。あと六日じゃ。」悠斗は気味が悪くなって、早歩きになった。するとカツーン、カツーンと何かが追いかけて来るではないか!

悠斗はがまんできなくなって走りだした!

家に着くと母が「大丈夫?顔が青いわよ。」とすぐに聞いてきた。「大丈夫。」と、適当に返事をしてすました。

翌日、怖い思いをするとわかっていても引きずり込まれるようにトンネルに入ってしまった。

すると、「今日は二日目あと五日」というこえがする。

それから四日たつと「今日は六日目あと一日」

翌日。今日は七日目。いつも通り右へ行ってしまう。

恐る恐るトンネルに入ると、「今日は七日目美しき魂は我のものにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!た・・助けてーーーー!!」悠斗は叫んだが、声が出ない。

老婆が目の前に現れた瞬間、僕は目の前が見えなくなった・・・。

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