TOP  >  なーお'nぶろぐ  >  なーお

なーお さんの日記  [ メールで投稿 ]

758件のうち561 - 570件目を表示しています。


[投稿日   ] [タイトル   ] [アクセス数   ]
4月
8 (日)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー 測定

まずはお詫びです。 昨日のARTAの測定ははっきり言って「失敗」です。 「触ってみた」だけと思ってください。 (ならBLOGにアップすんなって。ごめんなさい)

でも、昨日の不調の原因が判明しました。結構落とし穴かも。必見です
そして、ユニットインピーダンスの測定も行い、各ユニットのNerFieldのSPL・Phaseデータと共にSpeakerWorkshop(以下SpWs)にインポートして、現状のハイパスフィルターのみのネットワークシミュレーションを、「練習してみました」
【1:昨日の不調の原因】

arta_impulse_setting.gif

ARTAはDEMOバージョンで動かしていると、設定値を保存できません。 不覚にも、「Single Channel」 での測定になっていました。
右図「Impulse Response Setting」 の「Dual channel measurement mode」 にチェックを入れないと、ダメだったのです。

fig11_arta_accoustic.gif

また、マニュアルによると、私の測定環境は Lchをsoundデバイスからループバックする「Semi-Dual Channnel」 測定 というものに該当し、 右図のようになっています。(但し、L/Rは逆です。 SpWsにあわせたので・・)

おそらく、サウンドカードの種類などの環境によっては、ループバックを必要としない「Single Channel」 測定がうまくゆかない場合があるのだと思います。 私の場合も(USBサウンドカードだったりするし??)、そのクチだったでしょう。

arta_070408.gif

改善の 結果、右図のようにインパルス立ち上がりから測定でき、MySpeakerと同様のSPL結果を得られました。 ヤッタネ。(^^)/

【2:Limpでインピーダンス測定】

ARTAに同梱されている「Limp」:
 [Program for Loudspeaker Impedance Measurement]

を使って、ユニットの裸のインピーダンスを測定し、SWにインポートしました。

fig31_limp_imp.gif

まず、測定には高出力アンプは不要です。 サウンドカードの「Phone」出力があればこれを使えます。 アンプ出力の減衰回路が不要ですし、初心者には安心です。 接続は右図のようになっています。 (今度はL/Rは図のとおりにしました。)

☆ただし、オヤさんによると この方法はFsに少々誤差が出るようです。まあいいか。。☆

測定には、2モードから選択可能で、私の環境では以下のような違いが出ました。 

(1)「PinkPN」 (周期的ピンクノイズ) 
 100回測定して自動的に平均を求めてくれる方法ですが、外乱の影響を受けやすいのか、グラフのFsの山が綺麗にでませんが、こちらを使いました。

(2)「Stepped Sine」
 単一周波数のsin波を短時間測定して、周波数をインクリメントしてゆく方法。 高域で荒れたので、使いませんでした。

 (まあ、Fsの山が少し乱れてもさして影響はなさそうなんで、(1)「PinkPN」を選択してマス)

arat_spws_driver_impedance.gif

 測定が終わったら、メニューの「File」?「Export ASCII As」?「Plain ZMA File」を選び、ファイルに保存します。 この後は、オヤさんの ARTA必要十分マニュアルに書かれたのと同様の方法で、SpWsにインポートすることが可能です。 (右図は、別のチャートに重ね合わせたもの)

 以下、SpWs(SpeakerWorkshop)の説明です。 
 周波数応答もインポートしたら、各「Driver」の「Driver properties」の「Data」タブで、インポートしたインピーダンスと周波数特性を関連付けます。

spws_networkcad.gif

 その後は、オヤさんのSpeakerWorkshopチュートリアルの 5. クロスオーバーネットワークの設計 を見れば、シミュレーションが可能になります。 テストした現状ネットワークはハイパスだけの詰まらないもの(右図)。

sw_22uf_6db_highcut_only.gif

 そうして行った結果のグラフが、右です。
なお、FE103Eは裸だと2KHzに大きなピークが現れたので、subakoにマウント状態で測定。 ツイ?ターも4KHzにピークがありますので、これも後日バッフルに付けて測定しなおします。

 

***

今回の「練習」により、今後の測定・シミュレーションのスタンダードとなりうる感触を十分に得ることができました。 SpWsのチュートリアル/ARTAのマニュアルを公開していただき、オヤさん、本当にありがとうございます。

*** 追記070409

sw_42uf_12db_highcut.gif

この手の軽量コーンのフルレンジほど、コイルを通した時の劣化感があります。  折角、生きの良いフルレンジをMidに使うのですから、ここだけは何とかしてスルーで使いたい。 そういう思いでいろいろいじってました。 で、割とまともな特性が。

spws_networkcad2.gif

ネットワーク図。
かなり変則的です。

 位相の干渉を見ながらのシミュレーションが必須ですので、この手の方法でないとほとんど無理ですね。 慣れると面白いです。

コメントあり 4  |  続きを読む | 閲覧(39070) 
4月
7 (土)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー 測定

オヤさんが ARTA必要十分マニュアルを公開してくださいました。
有難く、使わせていただきます。(^^)/

早速、MLS信号でインパルス応答を周波数解析する手法でF特と群遅延特性を測定してみました。 (インピーダンスは測定は明日の予定)

arta_070407.gif

まずは周波数(SPLと位相)から。
こんなに低音、出てたっけ?
少し低域が持ち上がった結果に見えます。
ゲートを設けず、FFT時間で計算しているから?
ちなみに、マイク補正はオヤさんのところの(修正版)を使わせてもらってます。

mysp_070407.gif

MySpeakerだとこんな感じ。
聴感上はこちらが合っている気がする・・
ARTAの使い方が悪いのかなあ・・

arta_gdelay070407.gif

一応、群遅延特性も表示させてみました。
スパイラル共振のすぐ下の35Hz付近で山があって・・ていうのは納得ですが、もっと遅れが大きそうなものだけど、、 それに、?150Hz付近は割りと平坦だし。 やっぱりきちんと測定できていないのかな。 
中域の暴れはすごいなー。 これは部屋の影響だけではなく、スパイラルからの音の遅れも大いに影響している部分だと思います。

 

(以下後日、インピーダンス測定の結果も貼り付ける予定)

追記:測定時間を延ばしてFFT数を上げると、低域の測定分解能が上がってレベルも下がってきます。そして群遅延は低域でもぎざぎざに。

arta_time_1.gif

追記:右図のように、時間軸でみたレスポンスに、インパルスの立ち上がりが出ないのは、変。 サウンドカードの入出力の非同期とかが原因かなあ・・

コメントあり 3  |  続きを読む | 閲覧(24698) 
4月
5 (木)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー 測定

オヤさんのところで少し騒ぎになってますもので、私も少し測定してみました。

WaveSpectraというソフトで、オーディオなどでサインスイープ波をリアルタイムで高速フーリエ解析し、ピークホールドして測定グラフとする、という手法です。

この手法の信頼性の低さの指摘に対して、「信頼性が低いのはご尤もだけれども、どれくらいダメなのか」が良くわからない。
オヤさんのところで公開されているデータが全てであれば、「こりゃ、全然だめじゃんか」ってなことになるのですが、 私のところではさて、どうなりますことやら。
比較対象としては、国内標準とも言えるMySpeakerと、海外では定番(?)のSpeakerWorkshopです。

xt25sc5004.jpg

まず、測定時の構成から。 テスト中のため仮止めです。
MidRange:(Fostex)FE103E
Tweeter:(Vifa)XT25SC50-04
Network:2.2μFのハイパス1本のみ (^^;;

なお、測定レベルはソフトによって、まちまちです。 1W(2.83V)は入っていないと思いますが、0.1W以上は十分に入っている状態での測定です。
また、マイクはECM8000で距離1mですが各ソフトで補正は統一していません。

nulltest070404ms.gif

【測定結果】

まずはお手軽にMySpeakerのサインスイープから。(以下MS)
いい加減なハイパスだけなんで、フルレンジ状態のMidの高域と干渉してうねってますし、このネットワークでは深い谷にはならないですね。 
ツイーター接続を反転させた場合()は明らかにレベルが落ちて、10KHzの谷が深くなってます。

nulltest070404sw.gif

続いてSpeakerWorkshop。(以下SW)
ゲート測定ではなく、通常の測定です。 1/6 Octaveでスムージングをかけているので、急峻な谷は均されてますが、ほとんど同様の結果です。

fe103ext25nt50041m070404sweep.gif
fe103ext25nt50041m0704042sweep.gif

最後に、問題のWaveSpectra(以下WS)
ソースシグナルは上記SWで作成、200ポイント+スムーズ、リニアスタイル、スイープ時間180sec。
WSのFFT数=16K、窓関数=ハニング、fps数=80?100
左がノーマル、右が反転。 縦軸のスケールが違うので他の測定結果よりも小さめに見えますが、埋まるような感じでは無いですね。

**
以下、考察および私見です。

 今回、私は10Khz付近でのリバース接続でWS+sinスイープでも、そこそこの測定結果を得られることが確認できました。 本当は、オヤさんと同じくらいの500Hzあたりでテストできれば良いのですが、その環境がありませんのでお許しを。

 また、今回の結果をもってオヤさんのデータを否定するものでもありません。

 結局のところ、もし「WS+sinスイープ」による測定法が「信頼性の低い方法」だとしても、使用者がそれを認識しながら使えば良いのだと思います。

 もちろん、他の方法を使えれば良いのですが、何より「音楽を聴きながらリアルタイムで音圧スペクトルを確認」したり、その流れでsinスイープでピークホールドされる様子を高調波歪のレベルも見ながら測定できる、 という直感的なわかりやすさが得られるからです。

 この方法を使い続けることは私も推奨しませんが、 最初から「この方法はだめだから使うべきではない」 とは言いません。
 初めて測定する人には、こういった方法から入ることで、知識と聴感・直感でやってきたことを目に見える形にすることの面白さ、すばらしさが十分に伝わるからです。 ステップアップはその後に行えばよろしいではないですか。 時間は十分にあります。

「この道は、いつか自分が通ってきた道」

続きを読む | 閲覧(23320) 
3月
30 (金)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー 測定

コンテスト向けSP用のネットワークですが、 最終的には聴感で煮詰めることになるのを承知していても、やっぱり事前にある程度の予想はしておきたいですね。

世の中には、SpeakerWorkshopなどのシミュレーターがあって、色々なことができるのですが、英語版で結構敷居が高い。

で、探してみたらありました。 MS-EXCEL表計算を使った、判りやすいものが。
ここです。 12db/Octまで、位相による合算と距離調整も含めてシミュレーションが可能です。(作者のhasidaさん、感謝です。)

netsim070330.gif

 EXCELで計算できるということは、自分でカスタマイズできるという大きなアドバンテージがあります。 実際、私は各ユニットのインピーダンス特性をプロットして、そのシミュレーション結果がインピーダンス一定の結果と大きく違いが出ることを確認しました。

 EXCELだから、結構簡単。 「自分で占う」という作業を楽しくできますし、裏でどんな計算が行われているかもわかるので勉強になります。

xt25sc5004.jpg

**

 そして、ツイーターを購入しました。 Vifa[Logic]のリングツイーター、 

XT25SC50-04

 です。 早速テストをしていますが、 ソフトドームとリボンの中間のような、切り込み感とサラサラ感を兼ね備えたような音がします。 Fosのフルレンジにもマッチしそう。

 (昨年「もっ」さんがコンテストに出品した作品に使っていた物です。)

コメントあり 6  |  続きを読む | 閲覧(31962) 
3月
24 (土)
カテゴリー  日記・雑談

ナンプレ(数独)  やったことのある人は多いのではないでしょうか。 書店でもかなり並んでます。

 歳のせいか、あるいは自宅で仕事をするため外出が少ないせいか、頭の回転やらひらめきやらが「鈍くなったかナ?」と感じることもあります。 そんなときは、ナンプレを1?2問解くと、その後の仕事もズムーズに。(^^)/

numpre.jpg

 ただ、貴重な時間をこれだけに使うのは勿体無い。。 そこで、ステッパーで有酸素運動をしながら、ナンプレ。

 運動をすることで血液の循環がよくなり、脳に送られる血流が増し、(運動中なので酸素量は減るかも) 頭の活性化に役に立つような、気がします。 2問も解くと、頭スッキリ。

 実際は、ナンプレで鬼門にさしかかると、足が止まったりしますが (笑)

 皆さんもお試しあれ。

続きを読む | 閲覧(14081) 
3月
18 (日)

通販でシナベニアのバーゲン品を探していたところ、
以前より使っていた北零WOOODで丁度15mm厚x300mm巾のものが
出ていたので、買占めてしまいました。(笑)
15mm厚x33枚積層すると、495mm高さになります。(苦笑)

(内訳)
・厚さ15mmx巾300mmx長さ900mm(2.14Kg)x  3枚
・厚さ15mmx巾300mmx長さ600mm(1.43Kg)x 31枚

普段でも安めのお店なんですが、更に半額でした。
これと、バッフル板の分は18mm厚の通常料金ものを選定し、
2本分で12千円で済んじゃいました。

ついでに、スピーカー台用として、21mm厚のものを適当に。
上記と合わせて 約19千円。(送料別)

結構な出費ですが、スピーカー台は別に作ろうと思っていた
ところなので、予定されていた出費です。
(下面開口の設計上、普通の台は使えないんです。。)

しばらく忙しいので、設計は先延ばしです。。

コメントあり 9  |  続きを読む | 閲覧(28038) 
3月
17 (土)
カテゴリー  オーディオ

 1週間の米沢出張から帰宅し、subako-exに付けたFE103Eのエージングを進めています。 某氏から教えていただいた、必殺「強制加速エージング」法。

 人差し指と中指を交互に震わせて、爪の面をコーン紙にコツコツ当てる・・ 高価なユニットでは勇気が出ませんが、FE103Eくらいの値段なら万一凹んでも、気持ちはそれほど凹まずにすむかも。

 これ、結構良いです。 私は音を出しながらやってますが、 数日しかまともに音だししてませんが、大分こなれてきました。

fe103end20fa61m070317distortion.gif

 一方、ツイーター(DAYTON)ND20FA-6とのつながりですが、現在は6db/Octで、ツイーター側にコンデンサ3.2μFのみ、 フルレン ジ側に コイル0.68mHのみで、逆相で綺麗に繋がっています。 クロスの7Khz付近が少々高めですがツイーターを2dbくらい落とすか、 FE103E側のコイルを少し大きくすればよいかもしれません。
 700Hz以上の中域?中高域の平坦さは恐れ入りました。 さすがにFOSの代表選手、FE103Eだけのことはあります。 中低域?中域が暴れています。 大口径3D-スパイラルの宿命でしょうか。

 音質のほうも、FE88ES-Rほど音場を見通す解像度は得られませんが、意外に明るく色気があって、中低域の躍動感もそこそこあって、いい感じ です。  低域を更に厚く出すために、コンテスト用の箱には後ろに別のユニット(これもフルレンジ)を付けて、中域以上をネットワークで切る予定。

 だんだん、構想が膨らんできました。

コメントあり 2  |  続きを読む | 閲覧(22298) 
3月
9 (金)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スピーカー スパイラル
test_on_subako.jpg

出張の折に、FE103Eとツイーターを買ってきました。
そんでもって、こんな風にsubakoに仮付けして音出しです。
 (撮影時はまだでしたが、実際にはネジ止めしてます)
 口径が10cmにアップしただけあって、88ES-Rよりも低音がポーンと出てくる感じがします。スピード感もそこそこありますし、量感も伸びも(35Hzも)ちゃんと出てますし。 (一方で若干低域の歪感は増えたようです。)

 ただ、やはり中域?中高域のプレゼンスは88ES-Rに適いません。 高域にちょこっとツイーターを追加してみても、 クロスを低くしてみても (これはツイーターのクオリティの問題もありますが)、 改善しませんねー。 88ES-Rのクオリティーの高さを改めて思い知りました。 

 低域の感じはバランスが良いので、全体の纏まりとしてはとても好みの音です。 そういう意味ではFE103Eは1set持ってるとReference的に使えそうです。

 中高域の件はしばらくはエージングに期待して鳴らしこんでみます。 意外に厚かったコーン紙が良い感じにほぐれてくるのはいつになるか・・

 良くできたマルチウエイは88ES-Rのsubakoよりもっと透明感の高い音がするし、このレベルではもし本選に通っても入賞は無理ですなあ。。 まあいっか。 スパイラル用の標準箱を作ると割り切れば。。 でもやはり面白みが足りないなあ。

コメントあり 4  |  続きを読む | 閲覧(23966) 
3月
6 (火)

今年の要綱が発表になりまして。
30cmx30cmx50cmでユニット口径不問。
ブックシェルフ型対決ですね。

私はコンテスト向けの製作はしないつもりでしたが、このサイズならばそれほど邪魔にならないし、バッフル交換式にして一種の標準箱にする手もありますんで、あまり肩肘張らずに1本作ってみようかと思います。

style_front_2.gif

こんなん。

  1. 名称 (仮) 3D-Bench (標準箱、ということでの命名)
  2. コンセプト
     普通のユニットで、ふつうに聴けるバランスの良い音。 でも低音はスピード感と量感と伸びをトータルで追求した欲張り仕様。 聴きこむほどに味が出るようなスピーカーにしたいと思います。
  3. 使用ユニット
     自作の定番、(Fostex) FE103E + ツイーター。
    FE103は30年ぶりに使います!(笑)
  4. スパイラル
    積層2条口径序変スパイラル
  5. 下部構造
     円筒形スパイラルとの相性が大変よろしい、「IMMB」(音響インピーダンスマッチングボックス)を装備する予定。  妙な名前を付けましたが、要するにsubako-exの下部で使っている、角型スパイラル変形BOXのことです。

肩肘張らずに、といいつつ、技術的には結構詰め込んでます。
まあ、まだ構想ですから今後どんどん変わると思いますが。。

**
ところで、6月に長期出張との話がありますので、応募だけになるかもです。 まあ今年は1次審査を通らないでしょう、たぶん。

コメントあり 2  |  続きを読む | 閲覧(24491) 
3月
2 (金)
toyota_view.jpg

 現場には4年ほどぶりになります、 豊田スタジアム。 OPENから5年半経った今でも、日本一、いやおそらく世界一難しい動きをしている開閉屋根だと思います。
  今回は、とある名目での開閉屋根運転ソフトの改修案件で現調に行って参りました。 初めにお断りしておきますが不具合修正ではありません、ご安心くださ い。 ソフトの中身も決して難しく作っていませんが、その機能の多さ・奥深さゆえに、今でもソフト変更の際は私まで依頼をいただいてます。 ありがとうご ざいます。

以下、個人的な宣伝の一種と思ってください。
  私の今の本業は、汎用ACサーボモーターのコントロールですが、この物件はサーボはありません。 14台のトラス(橋梁)の左右にある台車走行を遠隔でイ ンバーターの速度制御を行い、東京ドームの類のエアーマットとそれを支持するつなぎ梁との速度協調運転で、閉めたり開けたりするものです。 開閉所要時間 は、片道約1時間ほど。 動く物の総重量は、何と2000トン! そんな重量物が屋根上に乗っているんです。

toyota_hari.jpg

 閉め始めはカーテンを広げるように伸びてゆきますが、屋根の開閉動作の最大の見せ場は、最後に待っているつなぎ梁との速度協調運転です。 →は北側の道 路から見上げた写真ですが、これに写るワイヤーを一定速度で引っ張ることで、つなぎ梁自身が持ち上がります。 (正直言ってこの下は歩きたくありません。 何か落ちてきそうな錯覚が襲ってきます・・)

toyota_kyocho.jpg

右の写真は、先頭トラスが協調運転中の写真です。 台車の速度は、つなぎ梁で拘束されて変形三角関数で徐々に低下させねばなりません。
 この速度変更を2次関数に近似し、近似しきれない部分はインバーターとモーターの「電動機的すべり」によって解消するものです。 これを13回、各々微妙に異なる係数でリアルタイム計算し、屋根が開閉します。
 (余談ですが、この制御盤の位置には参ります。 トラスの上を歩いて行って、ハッチからここに梯子で降りるときの恐怖感は相当なものです。)

 この台車駆動、基本構想とその他色々な情報をいただいた以降の数値化リモデル・近似式作成・ソフト思想と設計・コーディングまでのほとんどを、提 案?作成まで(もちろん、多くの人との情報交換を経て)行いました。 (「生き物」と言われるエアーマットも煩雑な動作をしており、24時間継続運転する この部分のソフトは当時の同僚が作りました。 )

 この手のメカメカしい物体のモーション制御は、私のような機械屋が設計することのメリットは非常に大きく、設計段階から危険予知を行いつつ、現調までに事前シミュレーションで完成度を上げておき、現場改造にもシミュレーターを活用することで安心して立ち上げを行うことができた訳です。

 しかしまあ、こんなに手間暇かけて作っても、現調前には「台車がオーバーランして屋根から崩落する夢」を見たりしたものです。 今では笑い話です が、これだけの大物を制御室から遠隔でタッチパネルのスイッチ一つで動かすのは、自動運転以上に神経をすり減らされました。(笑) 当時は「もうやりたく ない」とも思いましたが、今では「またやってみたい」と思うことも(汗)。

  一昨日は吹き飛ばされそうな強風と強烈な花粉に悩まされました。この時期は本当に辛い・・  一方、お昼は(作業着のまま)4階のレストラン「 ヴェルデロッソ」で週代わりランチをいただきました。 メインにビーフシチューか海老の何かか選べましたが、シチューは美味しかったです。 海老は・・

続きを読む | 閲覧(64815) 
758件のうち561 - 570件目を表示しています。