2014年stereo誌コンテスト応募作品「クリアミント」のスパイラル部の口径アップによりL/D比を小さくし、低域輻射域を拡大した改造を行い、「クリアミント2」としました。
完成後の音質は、元々よかった中高域にスパイラルの本来の低域の厚みが乗って、バランスがよく聴きやすい音になりました。
実質シングルバスレフなので低い方はサイズから想像するほど伸びていませんが、低域の厚みが出たことで全体のバランスも良くなり、フォアプレイのフュージョンが気持ちいいです。
ただし、この非力なユニットにスパイラルの位相30°/枚、ダクト面積30cm2は少し大きすぎるようで、低域のスピード感がなくゆったりした音質です。
もう少し位相を捻って、36°/枚、24cm2程度にしたほうがよさそうです。
完成直後のクライミント2は、ダクト面積が大きすぎてゆったりめの低域でした。
スピード感あってのゆったりは良いのですが、スピード感が落ちていたので不満があり、スパイラルの位相(捻り)を180°/6枚 → 180°/5枚 に捻ることで、面積を30cm2 → 24cm2に減らしたところ、スパイラルらしいスピード感が出てきました。
良い感じなので、ARTAとLIMPで測定し、SpeakerWorkshopにインポートしてみました。
低域は部屋の影響を強く受けていますが、50Hzまではしっかり出ていますね。 実際は40Hzまで実用になっています。
録音もしてみました。 こちらに掲載しています。
ネットワーク回路は以下のクリアミントのものそのままです。(右側のF特はシミュレーションのもので実機測定結果ではありません)
先日製作した、スター-Solのバッフル塗装とF特の測定をやってみました。
塗装は水性クリアニスを10回程度塗り。
測定のほうは、いつものように狭い部屋で適当に測定しているため、参考程度にしかなりませんが一応載せておきます。
- ユニット特性どおりのハイ上がり。 バッフルに15度の迎角が付けてあるためこの程度で収まっているが、軸上で測定したらもっと顕著に出る。
ツイーター付きは10KHz以上でほんの少しレベルが上がっている程度だが、聴感では指向性がブロードになるぶんSolの高域のきつさをマイルドに拡散してくれる感じ。
いつもの測定と異なり、PCの標準マイク端子に入れて測定したので高域が減衰しているが、実際にはもっと伸びていると思う。 - 星型バッフルは、ScanSpeakの付録ユニットの時はちょうどよかったけれども、中域の張っているFE103系では1~2KHz付近にピーク、いやむしろ丘ができてしまった。 これはヘッドを作り直さないと治らないから仕方ない。
- 低域は175Hzのfd2ピークは以前のスターでもあった通りで、本来なら押えたいところだが。 また、ダクト出口音圧では、ダクト面積を広げたことで中域の漏れがオリジナルのスターよりも増えてしまっている。
というところでハイ上がりは仕方ないとしても、 やはりベストな箱では無いなあ。 もっと時間をかけて新作すべきなのでしょう。
スピーカー台と、subako-HSの下部クチバシ用の材料(シナランバーコア)を、北零WOODのバーゲン品で手配しました。(t30mm、W300mm、L600mmのもの) 今週中に入荷するかなぁ・・ 次の週末が勝負です。まだ設計もできていません。頭の中の構想のみ。
台のほうは、オフ会などにもかさばらないように、左右を重ねて運べるようにしようと思います。 材料が軽量なので、音質はそれほど期待できません。(笑)
2014年stereo誌スピーカーコンテストの応募に向けて、諸々の調整をしています。
パッシブネットワークも確定し、ツイーターPT20の実力も見えてきたところで。。
どうもこのスキマが広すぎる気がして仕方ない。。
PT20ツイーターのマウントプレート中央リングのスキマです。このリング部分でドーム振動板エッジをフェルトリングを介して押さえているのですが、広すぎて抑えきれていない気がします。
バッフル前面取り付けの場合にここにスキマがあると、背圧がこのスキマから抜けて低域だけでなく高域も汚してしまう可能性がありますね。
そこで、3本の脚の部分をヤスリで少し削って、スキマを半分程度にしてみました。 測っていないのでコンマ何ミリなのか不明です。 もしマネして壊しても責任は持てませんのであしからず。 リングの裏に鉛シートを張る方法もありそうです。
そして、このプレート自体も弱々しく、同梱のスポンジシールだけではどうにも心もとないので、裏にエポキシパテで埋めてみました。 スポンジシールを貼ってバッフルに固定してみたところ、実にしっかりします。
水性クリアニス6回塗り仕上げのバッフルにキャップスクリューで留める。バッフル側は鬼目ナットをねじ込み済み。
この加工後の音質は、いやぁエージングの効果もあって変わりましたよ。暴れが減った気がします。まあプラシーボ効果の可能性も否定できませんが、これで雑誌付録のツイーターとは到底思えません。
パッシブネットワークの各素子にはユニット代の倍以上の金額をつぎ込んでますが、それだけの価値のある音が出ます。いやもうビックリ。
その変わり7KHz付近のピークが出現。 これはこの改良の前、エージング後の測定でも出てました。
(画像追加)「クリアミント」の最終特性です。
実はもう応募書類もほぼ書き終えました。
過去3度書類審査を通過していて、通る書類のコツみたいなものはわかっているつもりです。
しかし昨年からレギュレーションが変更され、受賞歴があるので「匠部門」という およそ私の実態には似つかわしくない部門への応募となるため、通るかどうか全くわかりません。
そんなわけで、原稿自体はまだ公開しないにします。 一次審査応募期限の9月17日を過ぎたらPDFで貼るかも。
なお、作品名は「クリアミント」に決定しました。
ネットワークパーツが揃ったので、頭部に乗せてレイアウト検討。
ついでに仮組、下部開口もこんな感じ。
ベースの板に開口部品は 接着剤SuperXを使って、きつい間隙をプラハンで叩き込んで組みました。これなら衝撃にも強いでしょう。
塩ビ管表面を目荒らししたときに少しヤケて茶色くなってしまってます。まあどうせ塗装するんで。
ネットワークを頭部に組み込みました。
板の裏はこんな感じ。 下には空気室との仕切りがあって、ウーハー用・ツイーター用の配線を降ろしている。 塩ビソケットに4mmほどの間隙があるため、ボルトや結束バンドが使える。
LCR各パーツには、被服銅線をはんだ付けして熱収縮チューブで処理し、Y端子を圧着して端子台にねじ止め。 レイアウト上、配線をスッキリさせるのはなかなか難しい。
各パーツを結束していないのと、スピーカーターミナルの穴を塩ビソケットに開けていないが、電気的には完成。
100円ショップで3枚100円で買った半透明カバーを乗せてみた。丁度良い長さでボルトを切断すればいい感じになりそう。
まだ1本分だけだが今日のところはここまで。
しかしこの箱でまだ音出ししていないのに、シミュレーション1発でほぼ確定しているけど、いいのかな? 最後に微調整が出るかも。
昨日の音出しで、ネットワークの基本的な部分はこれで良し! と思いますが、いくら「スパイス」という作品名に相応しいとは言え、4~10KHz付近の高域が強すぎと感じます。
ここで、アッテネータを入れるのが常套手段なのでしょうが、それでは高域全域が落ちてしまいます。
そこで、またもやSpeaker Workshopのシミュレーションで占ってみたところ、ハイパスフィルターのコイルに抵抗を入れることで、10KHz以上の高域を減衰させることなく、中高域~高域のレベルを落とすことが可能と判明しました。
要するに、12db/octのクロス付近の肩の張りを調整する感じなのですが、結果的にクロス周波数以下の位相特性がかわり中域にも影響が出ます。
抵抗(図中のR2)有無での周波数特性シミュレーション結果を貼っておきます。 L.C.R各定数は一部を除き現時点では非公開とさせてください。 今回のコンテストではこれが肝ですからね。
もちろん最終的には、聴感で決定します。