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当サイトに登録されている日記一覧Twisterの積層各板のくりぬき?spiralフィンの45度の面取りが終了しました。
画像のL側は、M8-L480mmの六角溶接ボルト(ユニクロメッキ)を仮止めしてみたところ。長さはやや長めですが、接着剤をつけて締め込めば、ちょうど良い感じになりそうな予感。
スパイラルのフィンは、この時のような風車模様にするのは「やめ」にしました。 なんといっても、加工が大変すぎますし、強度も落ちるし、どれだけ音質向上効果があるかというと ?疑問符がつきます。
よって今回は現実的なところで 一律45°程度にグラインディング加工としました。 最内周は大体滑らかに繋がってます。 まあ、これでも作業時間はほぼ3時間、かかってしまいましたが。 (汗)
現状の完成度、40%くらいですが、最大の山場を乗り切りましたし、残りの暫くは、まとまった時間が無くても進む内容です。
・ブロック毎に接着
・ツイーター取付穴加工
・一部の内部補強
・バッフル板加工・接着
・ブロック毎に内部塗装
・外部仕上げ塗装
・音だし?ネットワークおよび下部音響ダクトなど各部の微調整
という手順で進めます。 GW後半は出かけることが多いので、その後の平日、仕事がない時にでもコツコツと・・
Twisterがほぼ組みあがり、内部塗装(木工用ボンド)1回塗りと、外部塗装(水性クリアニス)2回塗りまでとりあえず終えて、音出しを開始しました。
当初、2本ともFE103Eでネットワークスルーの予定でしたが、仮組み音だしで中域のレベルが高すぎので、1本をFE107Eに変更し、7mHのコアコイルを入れました。
結果・・
狭い部屋の中での測定なので低域レベルは高めに出ています。
100Hz以下の低域と高域は素直な特性 (60Hzのディップは部屋の影響)で、これは狙い通り (^^)v。 しかし、中低域?中域にかけて、大きなピーク・ディップがあります。
ポート出力では、180Hzにとてつもなく高いピークがあります。 他はsubakoで見慣れた特性に近いので大体対処できそうなんですが、この音域の ピークは・・ スパイラル気柱共鳴の分散処理をまったく考慮しなかったのがいけなかったか・・ これは対処不可能かも。。 いや、アイデア捻り出して下 部BOX部分だけ作り直すか??
【現状の音の評価】
- 中高域?高域
FE103EとXT25SC50-04の繋がりは、事前にsubakoで各ユニットのNearField測定?SpeakerWorkshopで位相関係も含めてsimuっていたとおり、薄すぎず、でしゃばりすぎず、満足できるバランスを得られました。
このお陰で、弦やハーモニカがFE88ES-Rほどうるさくならず、けれども実在感があって実に良いです。 でも解像度や音場感はsubako+FE103Eのほうが良かったかも。 変形バッフル形状が災いしていると思われます。 - 低域
SpeakerWorkshopでのsimu結果です。 どうやら180Hzのピークは、コイルの減衰肩の盛り上がりで増幅されているようですね。
音は若干歪感がありますが、バランスはこれまで作ってきた3D-スパイラルSP中で最良です。 2本使ってコイルを入れた効果は絶大。 また、ウッドベースの弾み感、チェロ・コントラバスの胴鳴りなども、軽い低域のためいい感じです。 決してハイスピードとは呼べませんが、ドローンとした重い低域を長時間聴いていられない私には必要な軽快さです。 軽いけどそこそこ下まで伸びている、という。
最低域は35Hz付近。32Hzは出ますがレベルは下がります。 でもまあ、こんなもんでしょう。 - 中域
FE103Eのナチュラルな中域で、ボーカルなど自然。
スパイラルの気柱共鳴が強く出てますので、アンサンブルなどでステージの反響音が干渉しているソースでは、その干渉が大きく聞こえて苦手。 フルオーケストラならば大丈夫。
以上、音出し一発目としては、及第点レベル。 このままではコンテスト投稿も今ひとつ乗り気が削がれます。 どれだけ改善できるかな。。
コンテストに向けて少しずつ進めてきましたが、仕事が混んできてこの先時間が取れそうにないので、現状で応募原稿を書きました。 これで提出するつもり。
・作品名称: 「Twister」
・本体寸法: W300mm x D300mm x H500mm
・使用ユニット: FE103E x1、FE107E x1、XT25SC50-04 x1 (片側)
■コンセプト
・ 中域を中心に、低域?高域まで十分に伸びたバランスの良い聴き疲れしない音で、フレッシュさも出すため軽量コーンのフルレンジをネットワークスルーで鳴らしたい。
・ 低域は前作(3D-subako)のコンセプトを踏襲し、小型化が可能で「軽く聴き疲れしない」低域をもつ円筒型3Dスパイラルを採用し、その「広帯域バ スレフ」の特徴を生かして前作より十分な中低域の量感を確保する。 高域はメインのフルレンジをスルーで使いながらも、ツイーターと上手に繋げてバイオリ ンの音を「より、らしく」再生したい。
・ 主宰する「積層スピーカーの会 http://www.sekisou.org/ 」発足記念として、短時間でインパクトのある積層スピーカーを作り上げたい。
■設計
・ ユニットの選定は、前作の「ユニットの素性の良さに依存」から脱却し、容易に入手可能なこととナチュラルで中域が豊かなことからメインは「FE103E」 に決定。 ツイーターには、伸びと能率・小型マグネットでフルレンジと近接配置が可能で違和感なく繋がる音質の、Vifa(Logic)のリングツイー ター「XT25SC50-04」を選定しました。
・ フルレンジをスルーだと高域に位相特性の相違によるツイーターとの干渉が出て音を濁します。 今回、インピーダンスや位相も含めた事前の測定・シミュレー ション(ARTA・LIMP + SpeakerWorkshop)により、FE103Eをツイーター基準で同軸上30°「あっち向いてホイ!」することで、フルレンジの高域を自然減衰さ せて比較的スムーズに繋がることを確認して進めました。 実際にはXT25を内側15°、FE103Eを外側15°振っています。
・ 低域は前作の「中低域の薄さ」を補うためにFE103Eを2発使う計画で始めました。 2本目(下側)はツイーター基準で60°ネジって高域を減衰させます。 当初は2本ともスルーの予定でした。(音出し後にコイルを追加、1本をFE107Eに変更)
・ ネットワーク(完成版)は図のようになっており、中?高域にかけてスムーズなsimulation結果を得ています。(5?10KHzで干渉が出そうですが目をつぶります・・)
・ 箱の設計は、今回サイズの制約があり苦労しました。 2本のフルレンジの空気室?スパイラルダクトを完全に分離して独立した動作調整が可能とするため、スパイラルを2条スパイラルにしました。全積層構造の円筒型スパイラル(それも2条)は今回初挑戦です。。
また、ダクトからの中高域の漏れの減衰効果と、中低域の伝達効果を上げるために、下部BOXを内臓しています。
■命名 スパイラルでネジって、ユニットもネジるので「Twister」(別名:「ネジったの?」)と命名しました。
■製作
・ 主材料は、積層に使う15mm厚600mm x 300mmカットのシナベニヤ。 これを32枚積層します。設計では33枚でしたが、厚みが15.5mm/枚あって1枚減らしました。 図面から原寸大の 型紙を作成し、板にケガイて、ジグソーでひたすら「くりぬき」作業です。(写真の左奥がくりぬいた端材の山。まだ半分くらい。エコに反する製作法だなあ) くりぬくだけで丸2日かかりました。
・ 積層法では、各層の密着?剛体化がポイントになります。 今回、M8-L480mm長ネジによる締め上げ法を採用。 ブロック毎に接着剤を塗っておき全体 を締め上げてバラす、の繰り返し。 最終調整のために4ブロック分割可能とし、接続面にスポンジテープを貼ってエア漏れを無くしています。 締め上げれば 剛性も十分。
・ スパイラルの各ディスク端面は、45°均一面取にとどめて作業量を削減しました。 音質的な劣化はあまり感じません。
■音出し?評価
● 高域 薄すぎず、でしゃばりすぎず、満足できるバランスを得られました。 弦やハーモニカがFE88ES-Rほどうるさくならず、けれども実在感があって実に良いです。 でも解像度や音場感は前作のほうがやや良かった? 変形バッフル形状の影響か。。
● 中域 フルレンジ2本ともスルーでは中域が張り過ぎ、2本目に7mHのコアコイルを入れました。 これでバランスが取れて、ボーカルのフレッシュ感・しっ とり感もよく出ます。 ただ、前作に続き下面開口ダクトからの中域の漏れがあり音のクセを若干感じます。 また、空気室が変形形状のためか?定在波もあり ます。 今後、下部ダクトや空気室内部調整など時間をかけて煮詰めてゆきます。
● 低域 バランスはこれまで作ってきた3D-スパイラルSP中で最良です。 コイルが入り軽快さが若干落ちましたが、もう1本がスルーなのでベースの弾み 感、チェロ・コントラバスの胴鳴りなどもいい感じです。 決してハイスピードとは呼べませんが、ドローンとした重い低域を長時間聴いていられない私には必 要な軽快さ、でも35Hzまでしっかり伸びてオーケストラもOKです。(下記F特は部屋の測定なので低域レベルは高めに出てます。)
● 総じて目的は達成できました。 サイズの制約がなければ設計の自由度も増して解像度なども前作を超えられるかも。。 いつか改良版をトライしてみたくなる作例でした。
07年ステレオ誌スピーカーコンテスト、先ほど終了しました。私、Twisterでまさかの敢闘賞をいただきました。音はかなわなかったけど。笑 (当初、「努力賞」とのことでしたが、後日発売されたstereo誌8月号には「敢闘賞」となってましたので修正。。)
**当日追記
今回は、10名中のトップバッターでした。 (汗)
昨年の反省から、事前に言葉を十分に準備していきました。 「積層SPの会」十分にアピールできました。 「集まれ塩ビ管SP」 や 「オヤさんのサイト」 も(僭越ながら、さらっと)アピールしておきました?。
今朝出張先の福岡から羽田に飛んで帰ってきて、アキバに寄ってから会場に13時前頃に着くと、昨年の顔ぶれが3名ほど、既に待機しておられました。 そんな中、準備不足を補うために恥を忍んでTwisterの底面にガタツキ防止に鉛テープを貼りつけ。
今年の音源は、昨年と同じナレーションと、クラリネット、ジャズ、ボーカル、クラシックという構成でした。 Twisterにとっては難しいものばかり(^^;;
実は、説明ばかりに気を取られて、スピーカーの間隔が広くなりすぎていたのに気づきませんでした。 元々Twisterはあまり間隔を広げて聴くSPではなく、狭めにするか内側を向けるべきだったのに・・ 音だしを終えてから石田審査員長にご指摘されるまで、すっかり忘れていました。 自業自得・・
そんなわけで、いや元々の実力もなくて、でも32枚のくりぬき積層の努力(だけ?)と測定シミュレーションが評価されて、努力賞なるものをいただきました。 昨年の新人賞も例年になかった賞だし、今年の努力賞も。。?? なんだか私のために賞を作っていただいているようで??、恐縮です。
グランプリ・準グランプリに輝いた方々の作品は、すばらしい音と仕上がりでした。 けれども今年は混戦だったようで、ずいぶん審査に時間がかかってましたね。
ところで、昨年は少々貧弱と感じた商品ですが、 今年は編集社ビルで開催だったこともあり、「在庫一掃処分市」が開催されました。 受賞した人が1点ずつ選んだあと、参加者全員が、袋に穴が開くほど大量のケーブル・ユニットなどの試作品・試供品などを持ち帰りました。 なんだか今年の本選参加者は得をしましたねー。
今年の商品が来年も出るなら、また頑張ってみようかと思ってしまう、ゲンキンな私でした。
また、今年は方舟ではなく神楽坂の音楽之友社の試聴室での開催でしたが、、結構素直な特性と感じました。
# 応援してくださった方々、どうもありがとうございました。
*** 翌日追記
いやしかし、怒涛のような2週間。。
北九州出張中の真ん中の金曜夜に1次審査通過連絡で、
土曜日朝一フライトで帰ってきて梱包して荷出し、
日曜日は朝一の高速バスでソフトテニス杉並クラブ戦、
14時半から飲み会で夜のフライトで福岡?北九州
月曜は仕事の大山。
水曜日の夜にはソフト要因で機械をぶつけて気持ちも凹み
(幸いすぐに復旧したからよかった)
そして昨日、朝のフライトで東京に飛んできてそのまま本選参加。
こんな2週間はなかなかないぞ。
小心者なのにドキドキすることがありすぎ。。あー疲れたー。
今日は家族とのんびり過ごそう。
***更に追記
当日、参加者の鳴らし比べのあと、例年のように浅生さんと石田さんのスピーカーを聴かせていただけました。
浅生さんのは、7月号の内容からユニットを往年のBC-10に変更して、ネットワークも再チューニングしてのもので、なんと最前列で聴けました。 解像度の良い音でした。
石田さんの作品は7月号のそのままで、無指向性スピーカーでした。
こちらもなんと、石田さんがぜひどうぞとおっしゃるので、石田さんの席(最全席中央)で聴かせていただいました。幸せのひととき。
ユニット上部に拡散用の円錐が付けられ、上方には音が行きません。
塩ビ管の皆さんのそれを聴いてきたときに感じていた高域不足がなく、音の明瞭さという意味でもしっかりしており、なるほどと感じました。
確かLEED社から出ている無指向性SPも、この方式でしたね。 あちらは更に平面ユニットを使っているのがミソみたいですけど。
先日モチーフを考えたスピーカーの設計を、ようやく開始しました。大体固まってきたかな。
逆ダブルバスレフ・スパイラル。
逆ダブルバスレフとは、第1ダクトの共振周波数のほうを第2ダクトのそれよりも低くすることで、中低域の中抜け感の少ないダブルバスレフ方式です。
まあ、見方によっては第2空気室は単なるホールディングチャンバーとしての役割しか無いかもしれませんが、第1ダクトとしてスパイラルを使うと中高域の漏れがかなり目立つので、それを抑制する効果は期待できるのです。
胴体部分の板材は、t15mmのシナベニヤ。
第2空気室は上下逆に取り付けることも可能な設計とし、コンテスト終了後もフレキシブルなテスト用スピーカーとして使えることを一つのポイントとしています。
スパイラルは、最近お気に入りの積層方式にしておいて、長さと断面積を調整可能にします。材質は、2x4材のt19mm x w140mm単板。これをくりぬいて、M6寸切りボルト1本で中央を締め上げて一体化します。
ヘッドも最近お気に入りのシナアピトン合板2枚合わせと、VP125塩ビ管の組み合わせで、ヘッド交換を容易にしています。以前作ったKidsのヘッドとの換装も可能。
名称はどうしようかな。。 形状からいけば「さくら」「星」「もみじ」 あたりになってくるのですが、、
ということで、ぼちぼち製作にかかるとしますか。
昨日設計をまとめたスピーカーの製作を開始。まずはいつものように内蔵する3Dスパイラルダクトから。
朝からケガキを開始して、10時過ぎからカットを始めて、途中昼寝したり休みながらやったので夜の7時過ぎにようやく終了。
毎度のことながら、暑さと粉じん、そして蚊と闘いながら、汗まみれ粉まみれの切り出し作業だった。
今回はとても柔らかいホワイトウッドだったので切り出しは楽だった。その分、仕上がり状態は荒く、組み立ての際にボルトで締めあげても空気漏れが出そうな感じ・・ まあ仕方ないね。
スパイラル内径110mmは、各ディスクの段差部分の削り込みに使うディスクサンダーがぎりぎり使えるサイズと判明。これ以下のサイズでは今回の製法では製作困難。 アブナイ危ない・・
出来あがったディスク群の片ch分をM6寸切ボルトで締めあげてみたら、なんだかケバブに見えてきて食欲が湧いてきた。
続きは今週の仕事が暇な時と週末で実施予定。 とにかく音だし出来る状態にしないと調整が間に合わない!
一昨日より製作を開始したコンテスト用のスピーカーですが、 板取りを考えていたら手持ちの材料では足りないと判明。
あと、占有面積の大きさも、完成後の使い難さに繋がるので、残念だけど設計方針の変更です。
手持ちのVP200管を外筒に使用。 全高999mmはレギュレーションぎりぎり。 この設計なら部品点数も少なく、塗装も分解してできるので楽。 何より分解して再利用可能な塩ビ管であることがメリット。
課題は内筒の固定方法。 さすがに宙ぶらりんでは、もし1次審査を通過した時に輸送中に外れる危険性が高いからね。
以上、少し面白みが無くなったけどその分、音の傾向が読めるのでまあいいかな。
3日前に設計変更して塩ビ管使用のトールボーイ型にしたばかりですが、またまた設計変更です。 元設計の星型キャビをスリム化したトールボーイに。
この案なら、「なんとなくツマラナイ」感を払拭して、モチーフどおりのインパクトあるデザインと、音の調整の容易性を確保できそう。
星型の胴体をスリムにしたトールボーイ型。M8ボルト5本で締めあげ一体化
- V1/V2=7.9L/6.8L
- fd1/fd2=58Hz/113Hz (逆DB)
ヘッド製作、部材切出し完了したところ。 VP125塩ビ管の52.5度(37.5度)の斜めカットは、いつものようにこの方法で実施。
バッフル板はシナアピトン合板18mmx2枚合わせ。これでVP125塩ビ管と高剛性で接合。背面の音抜けは重要なので逃がし面取り施工。
ヘッド組み立て完了。最近はコンパクトで高剛性で音質も優れたこの組み合わせがお気に入り。
あとは27日に板材が入荷するまでの時間は先行してヘッドの仕上げをやっておく。 入荷後は、胴体の切断~組み立てを行い、一気にテスト音出しまで漕ぎ着けたい。