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D級アンプ プリアンプ バランス接続 デバイス

注:このページは逐次追記しゆきます

 期待以上の高音質を奏でてくれるRasPiオーディオ。パワーアンプにHypex UcD32MPを購入、周辺を色々と改善して音質の向上を楽しんでいます。
 今回、不平衡/平衡ラインプリアンプ計画を実行しました。 現在の状態は以下のように相変わらずバラックですが、計画実行後にはきちんと金属ケースに入るはず・・

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ここらで今までの経過と展開をまとめておきます。

発端 anchor.png

 そもそも、オフ会にも携帯できるくらいの音の良い小型デジタルアンプが欲しい、その一点から始まりました。 わが単身居室のプリメインアンプ、marantz PM-14SA ver2、音も悪くないのですが、RasPiオーディオで音の入り口の品位が上がり、出口もFE88-solでかなり細かい音が出るようになると、marantzアンプの高域の独特で少々癖のある音場感が気になり始めます。 どうせなら、これを超える音の良いアンプ! 欲が出てきてしまいました。

D級パワーアンプユニット anchor.png

リレー式リモコンパッシブプリ anchor.png

不平衡/平衡変換 anchor.png

 上記の平衡変換ラインアンプのブログで記載した、DRV134を使った変換基盤。 当初、リレー式アッテネータをつないでいたので音質的にぱっとしませんでした。 でも、ごとうさん式アッテネータ劣化テスト版に戻してみたところ、力感のある音が出てきてびっくり! これはまだまだ潜在能力を引き出せてない、そう感じます。

実行計画 anchor.png

 プリアンプを作ろう! のサイトを参考に、FET式ディスクリートプッシュプル、平衡/不平衡変換プリアンプを作りたいと思います。

 実際に参考にするページは、
 まずこちら と こちら(ボリウム追加個所) 追加でこちら(基板実装設計)
 それとトランス使用のこちら と こちら
 加えて、AKI-DACのこちら と こちら も平衡バッファ回路と電源周りで参考にします。

 ちょうど手元に、マイクアンプの制作用に買ってあったFET、2SK170-GRが12個くらいありますので、これを選別して特性の近いペアを2SETピックアップして使おうと思います。

製作編 anchor.png

回路図、実装図 anchor.png

 回路図はぺるけさんのを継ぎ接ぎで行けると思ったのですが、細部が変わってしまったところもあるので、回路図もトレースしました。 最初に作った可変抵抗ボリウムではなく、最終的なごとうさん式アッテネータのものになっています。
 ★回路図の、R17(L/R)、R18(L/R)、R19(L/R)、R20(L/R)の位置が間違えていたのを今頃気づいて修正し、画像を差し替えました。(2019/8/4)実装図のほうは合っていました。作った現物も確認しましたがそちらも合っていました。 回路図を参考に製作された方がおられましたら、申し訳ありません。 :-(

Circuit.png

部品一覧 anchor.png

抵抗 anchor.png

 全て千石電商で購入のKOAの金属皮膜抵抗 1/2W
 数量は、L/R 2ch分、店頭バラ買い。 通販の場合は10個単位の購入、単価アップ

AMP用個数単価(円)金額(円)
R13L/R, R14L/R,
R25L/R, R26L/R
5681080
R23L/R, R24L/R2.2K41040
R15L/R, R16L/R
R03-1,2
2.7K61060
R17L/R, R18L/R3.3K41040
R024.7K11010
R21L/R, R22L/R6.2K41040
R19L/R, R20L/R10K41040
R0116K11010
R11L/R, R12L/R22K41040
ATT用個数単価(円)金額(円)
R10L/R33021020
R9L/R68021020
R8L/R2.4K21020
R7L/R6.8K21020
R1L/R8.2K21020
R2L/R10K21020
R3L/R13K21020
R6L/R22K21020
R5L/R27K21020
R4L/R30K21020
抵抗小計560
コンデンサ anchor.png
アルミ電解コンデンサ
東信工業 UDWRZ
(千石電商)
容量個数単価(円)金額(円)
C3L/R, C4L/R33μF 50V (35V可)42080
C5L/R, C6L/R,C03470μF 25V540200
C02100μF 50V13030
積層セラミックコンデンサ
ムラタ (千石電商)
容量個数単価(円)金額(円)
C1L/R, C2L/R220pF430120
C011μF13030
コンデンサ小計460
コイル anchor.png
チョークコイル
太陽誘電(千石電商)
容量個数単価(円)金額(円)
L012.2mH 9mm15050
その他の部品 anchor.png
(門田無線)個数単価(円)金額(円)
ユニバーサル基板
タカス電子
IC-301-721200200
(千石電商)個数単価(円)金額(円)
2回路6接点ロータリーSWSR25-1-2-6N2200400
トランジスタ2SC1815-GR41040
RCAターミナル(白/赤)MR-599各150100
(秋月電子通商)個数単価(円)金額(円)
超小型スイッチングアダプタ
DC24V-0.5A
GF12-US2405M-022131650650
2.1mm標準DCジャック
パネル取り用
MJ-14C-0634216060
φ3mmの適当なLEDI-1157812020
LEDブラケットP-1146211010
両端ロングピンヘッダ1x40C-0905615050
ヒューズホルダ
(パネル取付・ミゼット用)
MF-525M18080
ガラス管ヒューズ
250V-0.5A
MF51NR23060
パネルマウント用ACコネクタ
(メガネACインレット)
MJ-27SC-0833413535
ACメガネコード1.8m
(2重絶縁タイプ)
C-016881240240
SPターミナル(黒/赤)MB-124-G-B/R各270280
(マルツ)個数単価(円)金額(円)
タカチケースHEN-110420S229005800
ツマミ 内径φ6.1mm外径φ13.7 K296R12310620
(トモカ電気)個数単価(円)金額(円)
XLRコネクタケーブルシールド、0.5m25501100
XLRレセプアクルオス、黒2120240
XLRレセプアクルメス、黒2160320
カナレケーブル(九州電気)個数単価(円)金額(円)
シールドケーブルL-4E6S5162810

特別購入品(選別要)

J-FET
2SK117-GR4
2SK246-GR2

買い出し anchor.png

 初日は買い出しから。 ケース以外は大体2台分のパーツ購入で、2万円オーバーの買い物になってしまいました。 抵抗はKOAの1/2W金属皮膜抵抗、ボリウムはマルツのR1610G-10Kを擬似Lパッド接続で使用。コンデンサは、日本ケミコン ではありませんでした、東信工業製のUTWRZです。 高価なオーディオグレードは使わずに始めてみました。

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実装 anchor.png

 実装図のほうは、ぺるけさんのサイトでも頻繁に使われている、タカスのユニバーサル基板 IC-301-72 を使用です。この基盤は、予め使いやすいパターンになっているので、どう配置しようか考えるだけでも楽しいですね。 以下の図は、音出しまでの修正済みのものです。 注意:この図のとおりでは、コンデンサのスペースが不十分で抵抗の上に被さるものがあります。改善を考えます。

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 組付け順としては、まずは上面に配置するジャンパ線から。

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 コンデンサの大きさを全く考慮しないでレイアウトを決めてしまったので、抵抗の上にコンデンサが覆いかぶさるという不格好な姿に。 

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回路チェック anchor.png

 テスターしか持っていないので、チェックといっても電圧くらいしか見れません。 DC24VのACアダプタをつないだところ、FETが異様な高温に・・ 設計から再確認したところ、2SK246は脚の1番と3番が2SK117と逆順だということを失念していました。
 そのほか、いくつか間違いがあったものの、無事に電源がまともに入るようになり、思い切ってパワーアンプに接続。無事に音がでました。 :-D

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音出し最初の音質 anchor.png

 ぺるけ氏のサイトには、アルミ電解コンデンサの酸化皮膜の自己修復が進む間は音が落ち着かない、20~30時間は経ってから評価してほしい、とあります。
 それでも始めから低域~高域までどこも特出したところが無い聴きやすい音でした。 鳴らしているうちに少しづつ、細かい音が出てきたように思いますが、今のところは解像度などまだまだというところです。

アッテネータへの交換(追記20180113) anchor.png

 製作後に100時間以上のエージングを終えたプリアンプを試しています。

 うーん、どうにも霞がかった音でして、これはどうにかならないかと思案して、ごとうさん式アッテネーター(テスト版)の登場! 写真のようにバラックのままですが。。

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 これはすごいです。 ベールが2枚ほど取り去られたように、音像、音場、厚み、高域の細やかさ、全てにおいて自分史上最高音質が聴けています。MarantzのPM14SA-ver2に戻ることはもうあり得ませんね。

 ここまでくれば、現在テスト版のアッテネーターをきちんと完成版としてコンパクトに作り直して、プリアンプのコンデンサをオーディオグレードに交換して、箱に入れます!

コンデンサ交換~戻した (2018-1-20) anchor.png

 コンデンサを東信工業のUTWRZから、ニチコンのゴールドに換装したのですが、音が思ったように良くならなかったので、元に戻しました。 この時、アッテネータの抵抗直付けバージョンに変更しています。抵抗は、千石電商で買った、KOAの1/2Wの金属皮膜抵抗に統一しました。ごとうさん式アッテネータは、このアンプとの組み合わせでも相変わらずかなり良い音を出してくれます。

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ケースのパネルレイアウト設計 anchor.png

 金属ケースに穴をあけて部品を取り付ける経験はほとんどないため、うまくゆくのか全くの未知数です。
 加えて、今回購入したケースはレイアウトがかなりタイトなので、まずは図面を書かないとほぼ失敗するでしょう。

 というわけで、ギチギチパネル図案の完成。 パワーアンプの電源インレットを買ったのに、入らなかった。。欲張って入力セレクタなんて付けてる場合じゃない!笑

PowerAmpPanel.pngPreAmpPanel_r.png

パネル穴あけ、ケース収納 anchor.png

 パネルに穴あけし、ケースへ収納しました。
 自作アンプケース組立て、コニさん宅ミニオフ

パネルレイアウトを印刷し、両面テープでアルミパネル現物に貼り付けて穴あけ。 大きめの穴は、タケノコ型のステップドリルをamazonで買って使いました。
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プリアンプ内部概観
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自作プリアンプのフロント/リヤパネル裏側。フロントは2連式アッテネーターに、2入力セレクタでぎっしり。リヤもRCAとXLRコネクタで一杯。
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パワーアンプhypex UcD32MP をプリアンプと同じケースに収めたけど、内寸高がピッタリ過ぎて天板にアンプモジュールがキスします。 仕方ないので天板裏側に梱包テープ貼り。
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完成型 anchor.png

完成型のフロント部/リヤ部。 2連式アッテネーターのツマミはもっと大きなものに交換予定。XLRケーブルはカナレのケーブルを使って最短長を狙って自作。

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 いやー、RasPiオーディオ+自作アンプ、最高!!

実体ファイル:inc/自作プリアンプ

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ゲスト   投稿日時 2018/8/3 9:29

こんにちは。
入力のアッテネーターのところで質問なのですが、
RSW1の-6dBの端子が他の端子とは接続が異なっているのはなぜですか?

なーお  投稿日時 2018/8/3 21:18 | 最終変更

これは私が設計したものではないので、本質的なことはわかりませんが、

  • 6dbのセレクト位置では接点に何も繋がっておらず、結果として3つの直列抵抗に接点無しで接続された状態になることから、接点の抵抗や配線長の影響を少しでも減らし、シンプルな回路構成とするため
  • 最も重要なのは8dbと10dbセレクト時も6dbまでの抵抗3本直列を通す回路とするため、このようにしたのだと思います。こうすることで、8db、10db時の直列抵抗の数を減らせるので、色々なメリットが得られると思います。

よく考えられた、秀逸な回路ですね。

ゲスト   投稿日時 2018/8/4 18:51

解説ありがとうございました。
複雑な回路なので、まだ良く理解出来ていませんが
もう少し勉強してみます。



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