履歴:
- 09/05/30 書き始め
3D-スパイラルダクトに関する、解説ページ。
に、これから少しずつしていくつもりです。
不定期に予告無く、更新する(かも)。
広帯域バスレフ
3D-スパイラルダクトは、スクリュー状の形状により音波の回折性の変化を利用して、広帯域なバスレフ領域を確保していると考えられる。
本図で、まず、最低域付近では、ダクト内の全空気が振動する。 この領域では、振動周波数が低いため、音波は全方向に広がろうとし、ダクトの軸方向よりも円周方向に十分に広がるため、多くの空気が一体となって振動する。 このため、振動空気の質量が大きくなり、より重低域のバスレフ動作となる。
続いて、中央から右の図のように、周波数が上昇して中低域寄りになるに従い音波の回折性が悪くなり、円周方向に広がらずにスパイラル中心付近をできるだけ直進しようとする。 こうして、振動空気の質量が小さくなり、中域寄りのバスレフ動作となる。
心棒の太さ
最低域付近の振動限界周波数は、ダクト入口面積とダクト内全空気量でほぼ一意に決まるが、振動周波数の高いほうは様々な要因で変化する。 例えば、細長いスパイラルよりも、平たいスパイラルのほうが、同じ最低域を持つ場合にはより高い周波数の振動を得られる。 これは、 図のように同じスパイラル外径(管内径)で心棒の太さだけ変化させた場合に、心棒が細いほうがより高い周波数で振動しそうであることは容易に想像が付くことで、納得できるであろう。
実体ページ:inc/spiral,notitle
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コメント一覧
メールで質問がありましたので、こちらに転載・返答します。
はじめまして。今年卒業を控えた大学生のMといいます。
卒業制作でスピーカーを製作することになり、今まで大学で製作されてない構造のスピーカーはないかと探し、スパイラルスピーカーに辿り着きました。
HPを拝見し、解りやすくまとめられている動作原理の解説をみて、今までよくつかめていなかったスパイラルの動作原理がわかるようになりました。
設計を行おうと思ったのですが、スピーカーのスペックを使って箱容量やスパイラルの長さなどをどのように求めればいいのかわかりませんでした。
基本動作はバスレフと同じということなので、バスレフの式から箱容量などを求めればいいのでしょうか。
もし、スピーカーのスペックを使ってスパイラルスピーカーを作製するに当たって参考になるようなことがありましたら教えていただけると幸いです。
Mさん、こんにちは。
小生のサイトを活用いただき、ありがとうございます。
お問い合わせの件ですが、こちらの解説も推測の域を出ませんし、あまり広帯域を狙いすぎてスパイラル全長を短くし過ぎると、今度は重低域のすっぽ抜け現象が出てしまうようです。
結論としては、適度な長さを持つ必要がありますが、経験値が少なすぎて、これ以上の言及はできない状況です。
そんな状況を打破するため、こちらのような実験を計画中です。 もしかすると、私よりもMさんのほうが早く実験できる環境にありそうな気もしますので、トライしてみてはいかがでしょうか。
なお、ヘルムホルツ計算式においては、最低共振周波数はダクト内空気全質量と入口ダクト断面積から求まります。 ダクト長を使う式は、ダクト長をどこで測定するかの基準が無いので、お勧めできません。
では。