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なーお さんの日記

 
2006
3月 6
(月)
22:52
[Audio]ミルクプリンと平スパの秘密な関係
本文

さて、コンテストは見送りましたが、3D-subakoの改良を止めるつもりはありません。 折角楽しんでできる状態に戻ったのですから。

土、日の夜に、密かにミルクプリンを内製しておりました。 それがまた、見栄えは不味いが隠し味がうまいのなんのって。 平べったい渦巻き君との相性がバツグンで。。
さて、これはなんの事でしょう? あはは、 3D-subakoの下に置いていたディフューザーに手を加えた物の事です。 以前の積層合板の上に、 シリコンシーラントで盛り付けしてみました。  こんな見栄えの悪い物に気柱共鳴の聴感上の緩和効果があると思いますか? それがかなりの効果があるんで すヨ。

pudding.jpg

 これはL側のスピーカーのスパイラル出口を撮影したものでして、下から見上げたとき螺旋音道はCCW(左回転)で降りてくる構造です。 丁度ユニットの 180度裏側辺りが螺旋仕切りの末端でして(画像の○印の奥)、そこからディフューザーで導くように空気の流れを作るものです。

で、今回の実験でなかなか面白いことがわかりました。 そのポイントは・・

1、円周長を有効に活用した音圧分配
 ヒラベッタ型の3D?スパイラルホーンは、ホーン出口の音圧方向が、Takenaka氏オリジナル設 計よりも円周方向に残っている。 オリジナル設計は細めの管で出口のベクトルは開口部方向にかなり向けてあるものが多く、おそらく出口方向に向いているほ ど出てくる音圧はよりダイレクトに向かってくるでしょう。
 一方、平べった型では逆に円周方向成分が多く残っていますので、そのまま筒の中を周りながら降りてきます。 (もちろん、筒はここで切れていますから、切れ目から外へ飛び出そうともします)  まずはこの円周方向の音圧成分を利用します。

2、開口寸法の最適化
 上記音圧分配は、ただ開口があるだけでは そこから一気に抜けてしまって、分散効果があまり得られません。
  今回の試みとして、仕切り端の所で開口幅を一旦狭めた上で徐々に広げてゆき、一周する頃にまたすぼめる、という寸法設計にトライしてみました。 元々スパ イラル開口部の面積は大きすぎるくらいに十分ですから、このようにスパイラル中心付近を狭めていっても十分な開口面積が取れます。 勿論あまり絞りすぎる と詰まった音になりますが、ホーン出口面積より広い分には大丈夫のようです。
 こうして開口寸法をコントロールすることで、音圧分配が中域から中 低域、低域にかけて割と均一に行われるようです。 気柱共鳴の聴感上の「ちらし」効果に加えて、低域の量感向上にも寄与しています。 より広い面積に放射 上に音圧を作る効果だと思いますが、最近使っていなかった「バックロード的な低音」という表現をまた使いたいと思う程の変化です。

3、気柱長さの分散
 これは推測に過ぎませんが、subakoでは160Hz付近で起こっている1次共鳴。 約1m程度の気柱相当の共鳴で す。 3D-スパイラルでは、気柱共鳴の起きる音道長さは、スパイラルの中心径に寄って来るようですので、ダクト共振計算に使う音道長さの半分ほどの長さ の気柱共鳴になると考えられ、 これが一般的なバックロードホーンとの特性差に(良くも悪くも)繋がっていると私は考えています。
 で、この気柱長さを分散できれば、共鳴のピークが分散される可能性があるわけです。
 今回の構造ですと、開口面積を絞って気柱長さを先に延ばしたような格好になっていますので、仮に円周の1/2の長さに沿って分散したとすると、
外筒の内円周長が 195mm x π x (1/2) = 306mm
と なり、元の長さの30%もの長さで分散される可能性がありそうです。 もちろん、スパイラルの仕切り自体はちょん切れた後ですから、完全に分散されること は無いとは思いますが、耳で聞いた限りでは効果がかなりあります。 測定するとどうなるのか、次回はトライしてみたいと思います。

 以前「スパイラル出口に邪魔板を置くと、共鳴の減少効果がありそうだ」 とアナウンスしたとき、kumasanがH-75でトライしていただいた のですが「効果なし」との結論でした。 その時は「平べったい形でないと効果ないのかなあ・・」 と思ったものですが、 上記3、の効果は外筒の径に大き く依存しますし 1、の音圧ベクトル方向の違いも加わりますので小口径スパイラルではあまり効果が出なかったことの説明もつきそうです。

 なお、この出口ディフューザーはまだまだ奥が深そうでして、日々(夜な夜な)形を変えては試行錯誤を行い、最終的には積層合板のサンダー掛け品で新作し、完成品を作り上げたいと考えています。

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コメント一覧

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FB   投稿日時 2006/3/7 10:12 | 最終変更

大昔(10年前)、底面開口部にこの手のディフューザーを付けることで音質をコントロールできる(もちろんその頃は測定なんて高嶺の花、全て耳測で行ってた、おおらかな時代でございました)事をいくつかの実験で経験しております。

ヲイラの積層も底面下に円錐状ディフェーザーが

<a href="fileic5.mixi.jp_9643342_58.jpg" rel="nofollow">fileic5.mixi.jp_9643342_58.jpg</a>

…設計上、予定されてたりして(^_^;<早く作らねば

なーおさんの半円球状というのも面白そうですね。両方試してみたくなりました。

なーお  投稿日時 2006/3/7 10:54
FBさん
私も最初は円錐型が出口面積を狭めないので良いかと思っていたのですが、 記事に書きましたようにスパイラルには円周方向に沿って音圧を分配することで円柱長を変化させる効果が、共鳴対策に非常に有効であるとわかって、この形になりました。 通常のバックロードや共鳴管、TLSなどは音圧が垂直にかかってくるので同様の効果はないと思います。
バックロードでやろうと思えば、側板に出口の少し上流からスリットを入れて少しずつ広げてゆくようなものが似た効果を得られると思います。
kumasan サイトURL  投稿日時 2006/3/8 18:32
H75を吸音材無しで聴いていると、かなりボーボーした音でパイプ共振が耳につきます。
PCでテレビを見るのですが、人の声はかなり違和感があります。吸音材を入れると問題無いですが。なるべくは吸音材無しで邪魔板で効果があるならそちらの方が良いですしね。

ひらべった型とそうでないのとは邪魔板の効果の出方が違うのは、なーおさんの説明で説明できそうですね。
なーお  投稿日時 2006/3/8 22:46
kumasanこんばんは。
> なるべくは吸音材無しで邪魔板で効果があるならそちらの方が良いですしね。
そうなんです。 特に今回はバックロード的な動作を強めに出しているため、吸音材を入れると尚更音の鮮度が落ちます。 バスレフ動作メインであればもう少し気にならずに済むのですが。 幸か不幸かこういうことでして。


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