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なーお さんの日記  [ メールで投稿 ]

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2月
12 (日)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スパイラル スピーカー

MAKIZOUクラフトさんのミスの件も先方の誠意で解決したし、今日は箱部分の組立をできるところまで進めました。

box_060212.jpg

何より接合面が「吸い付くような」高精度の仕上がりには驚きました。 さすがMAKIZOUさん、と関心。  箱部分の加工済み部品はバッフルと側 板2枚、底板の4点のみですが、ここに(一緒に送ってもらった端材を)自分で加工した補強を適宜追加します。  まだ側板と底板は未実施。 補強を行うと 箱鳴りが防げるとともに、定在波の抑制に多少効果があると思います。 バックロードタイプの定在波はホーン開口で増幅されて出てきますので、その抑制には 気をつかいます。 今回は今までの3作の集大成として作り上げるつもりですので、手抜きはせずにと。

ユニットの固定用に今回はM4の爪ナットのマグネットと干渉しそうな爪1本を切断して、エポキシで固定する方法をとりました。 そしてバッフル内側の空気の通り道は、お決まりとしてグラインダーで削って広げておきます。
側 板の、VP200塩ビ管に接するコバ面は内R加工が必要です。 さすがにここの加工は(相手方の塩ビ管が先方にないし)自分でやるしかなく、グラインダー で慎重に行っています。 側板のRと合わせてみましたが、もう少し削らないといけないみたい。 最後の合体時に、現物あわせでもう一度削ることにしましょ う。

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2月
14 (火)

2月8日記事でスパイラルホーンのインピーダンス測定を行い、その後のコメントでヘルムホルツ共振周波数の考え方について話が展開してきています。
きっ かけは、私の最近設計している物は皆「平べったい」変形のスパイラルホーンでして、これにTakenakaさんオリジナル設計の素直なスパイラルでの「ヘ ルムホルツの共振式中のダクト長変数Lはスパイラル外径部基準の音道長を使う」 と同じで大丈夫なのかという不安を感じたからです。

今回、ダクト内の空気容積をベースに、出口開口面積の等価半径項(kumasan提案の定数を参考にしました。)を加えた式を用いて計算する方法で 検証してみました。  検証に使う元データは、拙作の3Dロボット君のほか、ご本家TakenakaさんのHPから拝借させていただきました。 

PDF: 
EXCEL: filekousatsu060213.xls

結果としては、この方が実測値に近い場合もあるし、オリジナルの方が近い場合もあります。  考え方としては間違っていないと思っていまして、これがやがて 「fhoのすぐ下に第1ピークが来るという謎と、fhoの上でインピーダンスの谷になって幅広く音圧輻射されるという謎」の解決のきっかけにでもなれば幸いです。 皆さんのご意見をいただければと思います。 いかがでしょうか。。

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2月
19 (日)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スパイラル スピーカー

 現行メインSPに鎮座した3D-subakoですが、浜辺の生録の音などを聞くと、ある周波数で微妙に(気柱共鳴とは違いますが)共鳴していま す。 一般には3D-スパイラルホーンから漏れてくる音は中高域がきれいだと言われていますが、これはあくまでCWホーンと比べた場合であって、円筒を音 道に使っていることから(その内径が一定であること故に)内径を2分の1波長とする周波数が基底の共鳴は必ず付きまとうはずです。200mmであれば、 860Hz付近。 3D-スパイラルホーンをお使いの方は、一度吸音材を取り出して浜辺の音を再生してみてください。 すぐに判ります。 (ト○レの排水 管を流れる水音みたいな、いやーな音です。)(T_T) 

 え、? 吸音材を使えば済む事? 確かに吸音材でだいぶ減ると思いますが、そうすることで中音以下の音の鮮度は下がる一方です。 3D-subakoでようやく吸音材無しでも聴けるレベルの物になったので、些細なことでも克服してもっと音の鮮度を上げたいわけです。
 さてこれを回避するには、なーんだ答えは簡単。 内径を徐変させれば良いのです。 ・・と言うのは簡単ですが、作るのは大変、大変。
 例えば、ご本家Takenakaさんのページに、 「ディスク法」という作り方が紹介されています。  仕切り付きのドーナツ型円盤を多数、位相を回転させながら積層してゆく方法ですが、 これで円の径を変化させればできちゃいます。 きっと、私以外の誰か既に思いついていると思います。
 その他には、塩ビ管のサイズを途中で変える方法もありますが、接合部のスパイラル仕切りをどう作るかという別の問題が・・

yadokari.gif

ということで、やはり積層方式。 
3D-yadokari案です。「やどかり」君に見えますよね?
  あまり枚数は増やすと大変ですし、1枚あたりの厚みが厚いと、そのぶん仕切り板部分の斜め研削量が多くなって加工も面倒になります。 せいぜい15mm厚 くらいが適当でしょうか。 仕切り板部分の1枚ごとにずらしてゆく位相は上から下まで同じにする必要もないと思われるので(もしかしたらスパイラルの動作 上好ましくないかもしれませんが)重ねる面積との兼ね合いで設計すればよいと思っています。

 なぜここまで拘るかというと、φ200mmくらいのスパイラルになると、幅10mm程度の平型キャプタイヤケーブルによる方法では、どのみち剛性 不足であることが上げられます。 現行の3D-subakoもその点で不利でして、音への悪影響の程度を心配しつつ聴いている状態です。 これの打開策と しても、有効です。

 ただし、ディスク法は容積効率が悪いです。今より更に巨大化必至。(汗)

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2月
20 (月)
カテゴリー  オーディオ
タグ  スパイラル 測定

オヤさんのブログからトラックバックが飛んできたので、早速おじゃましてみました。
自作スピーカーの特性を、 Speaker Workshopという(私からみれば十分にプロ向け)ソフトを使って測定してらっしゃる。 ん、ナチュラルダクト的にバスレフポートにダンプラを入れての測定も。(残念ながら所望の効果は得られなかった様子であったが。)

普段せいぜいMyspeakerやWaveSpectraをおもちゃ機材に繋いでお気楽な測定しかしてこなかった私も、そのうち踏み込むべきところと考えていましたので、オヤさんのブログで少々勉強。 うん、コンデンサマイクとファンタム電源は知ってるし。 ん?ループテスト? おお成る程。 これ ならMyspeakerでも簡易にできそう、ってことで試してみました。 (オヤさんのブログでは RMAAというソフトで評価していました。RMAAでもやってみましたが、MyspeakerでのF特測定法と同様の結果でした。)

1、PC内: Myspeaker→ヘッドホン出力端子
        →マイク入力端子→Myspeakerで測定。

loopback060216-SinSweep.gif

なんじゃこりゃ。 高域・低域ともだら下がり。
高域はフルレンジには重要性低いとして、低域は予想をはるかに下回る悪さ。

2、思い直して、いつものテストCDをCDプレーヤでかけて音源とした。
  CDP→AMPヘッドホン出力→PCマイク入力端子→WaveSpectraで測定。

cdp-mic.gif

はらほれへらふれ・・ メタメタです。 こんなんで測定していたなんて、笑ってください。わっはっは。 インピーダンスが合わないのか? なんて考える気にもなりません。

やっぱり、コンデンサマイクとファンタム電源だけでなく、サウンドインタフェースも買わねばならんのね。 フルレンジユニット1set分が軽く飛ぶ出費。 でもまあ、今後も継続してゆく趣味にこの程度の出費は仕方ないか。

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2月
28 (火)

長期出張を控え残された時間が少なくなってきました。
少々前置きが長くなりますが、ご容赦を。

 所詮スピーカーの音の煮詰めは、勘と経験+ネットで収集した情報を基にしたトライアンドエラーの積み重ねであるために長い時間が必要です。  私 とて巷のオーディオマニア諸兄に比べたら勘も経験も人並み以下でして、日々勉強と耳のトレーニングを友として歩んでいる状況です。 手持ちの愛着あるオー ディオ機器・CD達をフルに活用しつつ、日々少しづつ改善してゆくしか手はありません。
 そしてその結果を裏付ける形で、測定を行えば良いのです。 もちろん、そのSP形式が狙っている動作になっているかどうかの測定として、F特やイ ンピーダンス、位相などを測定するのはスタートポイントとして重要なことですが、それ以上の「人の心を揺らす音楽を奏でる音の出口であるスピーカー」の調 整で最後に役立つのは、言うまでも無く人の耳です。
 時に人の耳、特に自分のSPの音を聞く耳は主観にとらわれ過ぎ、一種の自己形成の焼き物になりがちです。(人はそれを自己満足と言います。) そのような偏りやバイアス成分を少なくするには、日々の精進に加えて他人の意見を聞き入れるもう一つの謙虚な耳をきちんと持つことが大事と思います。

 私は3D-subakoにかなりの情熱を注いでいます。 音だし一発で、昔作って聴いていたバックロードホーン群の利点も欠点を相当高いレベルで 飛び越えてしまったからでして、そのバックロード的なショートホーンの音は3D-スパイラルの新たな活用路線かも?・・ と感じているからです。 
 巷ではなにやら、 TLSが 今後自作派が一度はトライするべき方式、と言われたりもしていまして、 長岡鉄男さん世代の私としては少々複雑な思いもあるし、 まあそういう方式が(古 かろうが新しかろうが)吸音材で中を埋めて音圧や位相を綺麗に整えるという方式ならそれはそれでよろしい、そのうち踏み込むかも?  でもまだまだバック ロードも捨てたものじゃない、 この3D-スパイラルを活用したバックロードの音は独特の透明感があって、吸音材なしで中音じゃじゃ漏れでも十分に聞ける だけの過渡応答の良さからくる音の利点を前面に出して、行くところまで行くのです・・

 さて前置きが長くなりましたが、ユニット背面から出る音は空気室内で共鳴すると、言うまでもなくユニットのコーン紙を振動させて前面にも出てきます。 この共鳴というのは厄介でして、 TQWTでもTLSでも、CWタイプ(一定幅)であればその内幅をλ/2とする周波数の整数倍の共鳴音が必ず付きまとうはずです。(実際に聴いたことないけど)
  これをコントロールしないと、ピアノの右手の強いアタックなどで醜い甲高い音が出ます。 3D-スパイラルホーンは長手方向の共鳴やスパイラル外筒内径に 起因する共鳴音は出ましてその対策が難しいのが最大の欠点だと思っているのですが、音に影響の一番出やすいユニット近傍は空気室設計の自由度が高いし空気 室が小さいので対策はやり易いものです。(逆にいえば空気室が小さいので、より影響を受けやすく対策の効果も出やすい。)
 今回取った対策は、吸 音材をほとんど使わずに共鳴音を散らすものです。(最終的に吸音材ゼロで聴ける、ということではありません。) 折角バックロードホーンで過渡応答の良い 特性があっても空気室に吸音材を入れれば入れるほど、音が鈍って鮮度が落ちてしまいますから、まずは「散らす」。  それでダメなら最後は吸音材です。

taikyou-buhin.jpg

今回の対策に使った、1本分の加工済み部品です。 半割り丸棒は側板内面に。 斜め加工の部品は底板方向に使います。 こんな加工は電道工具ではなくて手間隙かけてノコギリとカンナ、これに尽きます。

taikyou-side.jpg

ピンボケ写真しか撮れませんでした(^^;
 側板内面に貼った様子です。幅方向の(本作例の場合)1.2Khz付近の共鳴音の抑制に効果があります。
 よく見ると、背板に相当する塩ビ管外径部分に鉛シートを貼って固有振動を抑えているのもわかります。

taikyou-bottom_2.jpg

ユニット下の部分に斜めに取り付けた部品で、長手方向の(本作例の場合)480hz付近の共鳴音の抑制に効果があります。

 上記対策は、ここに至るまでは1週間の試行錯誤を経ていまして、最近流行のダンプラを構造材に使ってブチルで制振した部品を組み合わせて予察した結果から最適と判断されたものを実施しました。
 また、こうして対策を取る際に、やはり「吸音材は全て取り外して」行うことが重要です。 そうしないと取った対策の効果が薄れてしまって判らなくなってしまいますから。

 ・・・ そして昨日の夜も更けていったのでした。(笑)

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3月
4 (土)

以前のトピで書きました測定機器の、Behlinger ECM8000が届きまして。
早速、カゼかインフルか判定つかなかった熱の下がり具合をみつつ、休み休みやりました。 (体調不良で仕事休んでこんなことやってちゃダメですよね。。)  お蔭様で夕方には36度台まで下がってました。

micamp.jpg

ファンタム電源兼自作マイクアンプをテキトーに完成させて、測定しました。 え?中ですか?? とても見せられるものではありません(^^;;

ecm8000.jpg

とりあえず測定風景っぽい画像ってことで。 カメラ用の三脚を流用です。 使えるものは全て代用。

subako-L060303-WvSptr.gif

まずは、いつものWaveSpectraで。 入力ボリウム最大にしても、今までより感度が低い。 オペアンプ TI  NE5532P 内臓の2回路パラって、 帰還抵抗値ボリウムをMAX(50KΩ)に上げてもこの程度。
しかし測定結果自体は、これほどフラットな高域を除いては今まで取ってきたものにほぼ等しいので一安心。 特に2日に取ったELECOM MS-STM5とは高域以外ほとんど差が無いですね。あんな安物でも結構やるじゃん。 あ、この測定ではマイク補正かかっていませんので念のため。

さて、では鬼門のSpeakerWorkshopでの測定です。
 ★今回は、「まずやってみました。」という感じのデータですので
   その旨胸に仕舞って読んでください。         ★
そして1から10まで、いつもの オヤさんのブログと同じようにやってみることから始めました。

1、CH間位相補正。 これはマイクを使わないのでゲイン不足に苦しまずにできます。

2、マイク補正。 これもデータを参照設定するだけなので。。

3、Gate時間を算出するためのPulse測定。
  ・・ここからマイクと片chループバックさせた専用ケーブルを使用しての測定です。  早速、マイクアンプのゲイン不足。AM値で20K以上必要なところ、5Kしか出ません。 でもこれ以上ボリウムを大きくすると、家族迷惑になるし、 と りあえず今回はこれで測定しちまうぞと。  Gate時間の設定方法は、英文マニュアルや 非公式マニュアルを読んでみたものの、判ったつもりでもPulse測定グラフみてもどうして良いのかさっぱり。 結局、30Hzが測定可能なように 0-33ms間のデータをPickするようにGate設定をしただけです。何の意味も無い鴨。

4、NearField 測定  マイクをユニット直近に(私は5cmくらいにしました。)
5、Port 測定 スパイラル出口に突っ込んで・・
6、FarField 測定 今回は軸上1m。  50cmくらいの方が良かったか?

上記を重ね合わせたグラフが、↓です。

subako-L060303-SpkWs.gif

がひょーん。 低域不足の図。
100Hz 付近のピークは何だろう。。 WaveSpectraでは出ないし、WaveGainでPCからリアルタイム生成してWaveSpectraで取っても出 ないから、デバイスやマイクアンプ関連の問題では無さそう。。うーん、SpeakerWorkshopの何かか。。

 その他、でこぼこが大きいのはその通りって感じです。 正直言うと気にすれば気になります。 特に50Hzのディップは、位相が反転するのでどうしようも無い。。
そ れと、黄色の線のGate測定(間接音をカット)ですが、30Hzまで測定できるハズが、実際は100Hz以下が急降下。 ・・ これって位相が遅れすぎ て33msのゲートでちょん切られちゃってるってことですよね、たぶん。  イヤー、SpeakerWorkshop恐るべし! 「バックロード的なス ピードある低音」と思ってきたことの誤りを、気になった次の日に見事に指摘されてしまった感が有ります。  なんだ、40Hz付近のヘルムホルツ共振と変 わらないじゃんって。(涙) これは相当凹みます。。 <でも↓でswanも同様でした、少し安心。>

7、S-Swan-FE108Sも測定。

swan-L060303-SpkWs_2.gif

念のため、これも測ってみました。
思ったとおり、50Hz以下はほとんど出ていない感じですね。まあ球形空気室の積層が剥がれて空気漏れしているっていうのも大きな原因ですね(笑)。
 それにしても、100から200Hzは低域出過ぎくらいに(ちょっとブーミーで聞き疲れする)出ているはずなんですが、 SpeakerWorkshopよ、君は低域控えめに出るのか? 原因不明。
<060304追記>S-Swanも33msのGate測定をしてみました。↑の画像は差し替え済。これもやっぱり100Hz以下が落ちているので、33msくらいではバックロードの低音は取れないみたいです。という結論に今日はしておこう。<追記おわり>

subako-swan.gif

 subakoとswanを同じボリウム位置で測定。swan(6N-FE108S)の2から5Khzの音圧の高さが一目瞭然。  subakoの 200Hz強のディップは目立つなあ。。 低域の厚みはSwanの勝ちですが、でもsubakoの聴き疲れしない低音の質は大いに魅力です。 ウッドベー スのソロなど聴き惚れちゃいます。

ということで、大変駆け足でしたが、これにて今回のクールは終了。
週末に屋外で測定するかもしれませんが。(笑)
それにしても、オヤさんのサイトがなかったらこんなこと、私には出来なかったでしょう。 感謝感激、雨あられです。 本当にどうもありがとうございました。

<060304 ここにも追記>
屋外での測定をしました。

subako-outside.jpg

一応、影響の少なそうなデッキ上を選んで向きも考慮したつもり。。 Wavespectraでsinスイープで取ったF特が、予想通りに低域だらさがりで凹凸の少ない綺麗なグラフだったのですが、PC保存時に迂闊にも消してしまいました(涙)。
で、SpeakerWorkshopでの測定グラフです。

subako-L-out060304-SpkWsr.gif

中域以下は室内のグラフと似ています。 高域は室内の測定で軸上からずれていたのか、壁の反射で減衰していたのか。。 そして200Hzのディップが消えています。 どうやら部屋の影響だったようです。
これでわかったことは、SpeakerWorkshopで測定すると室内でもそこそこの測定ができると見て良いのでしょうか。。 まあこれも「やってみました」というレベルの話です。。

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3月
5 (日)

紆余曲折ありまして色々考えた末、月間stereo誌スピーカーコンテストへの応募は見送ることにしました。 応援してくださっていた方々には申し訳ありません。  

応募を見送る理由は、

1、3D-subakoはコンテストに応募できるスピーカーではないこと。
 コンテストで本選に出て評論家諸氏や工作先輩方に音を聞いていただくための苦労が、自分がこれまで3D-subakoに注いできた音作りと違うということを実感しています。
 3D -subakoの利点と欠点を承知の上でコンテスト用に設計し直すのならまだしも、現状の3D-subakoにパッチを当てて万人が納得する向きの音に整 えて、「これが3D-スパイラルを使ったSPとして私が現時点で出せる精一杯の結論」と未練がましく言いたくないのです。
 やはり3D-スパイラ ルにも利点があれば欠点もあります。 バックロード動作を強めたスパイラルとしたことで解消された欠点もあれば、より強調された欠点もあって、それらの消 化不良の段階でコンテストに出すのは、私の本意ではありません。 たとえ本選に選ばれる可能性が万に一つしかないとしても。
 出すとしたら、3D-ロボット君と3D-subakoから得られた多大な知見を元に、今回のレギュレーション的に評価されそうな、コンテスト用に新設計したもので臨みたいと思いました。

2、自由になる時間の不足。
 4月初めより6月中旬まで長期出張となりますので、3月末までに製作・調整作業を完成して応募しなければなりません。 それ以前にも仕事の山を一つ超えねばなりませんので、実質的に自由になる時間が不足しています。

3、コンテストへの取り組み姿勢の間違い
 3D-subakoの音だしをしてからコンテストへの応募を一旦決めた時までは、心の余裕を持って楽しく取り組めました。 しかし、応募を決めてからは一転して3D-subakoのネガを消すという後ろ向きの、楽しみとは相反する作業が待っていました。
 これも時間に余裕があればまだ良いのですが、上記の時間的制約の中では焦りも手伝って家族サービスに時間を割く余裕すらなくなりそうです。 これでは趣味で取り組んでいる自作オーディオが、家族の中で自ら市民権を放棄したようなものです。

 以上のような要因が重なって、今回はリセットするしか無いと結論付けました。 この経験は今後の自作活動に大いにプラスになると思いますし、またいつか機会があれば挑戦したいと思っています。

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3月
6 (月)

さて、コンテストは見送りましたが、3D-subakoの改良を止めるつもりはありません。 折角楽しんでできる状態に戻ったのですから。

土、日の夜に、密かにミルクプリンを内製しておりました。 それがまた、見栄えは不味いが隠し味がうまいのなんのって。 平べったい渦巻き君との相性がバツグンで。。
さて、これはなんの事でしょう? あはは、 3D-subakoの下に置いていたディフューザーに手を加えた物の事です。 以前の積層合板の上に、 シリコンシーラントで盛り付けしてみました。  こんな見栄えの悪い物に気柱共鳴の聴感上の緩和効果があると思いますか? それがかなりの効果があるんで すヨ。

pudding.jpg

 これはL側のスピーカーのスパイラル出口を撮影したものでして、下から見上げたとき螺旋音道はCCW(左回転)で降りてくる構造です。 丁度ユニットの 180度裏側辺りが螺旋仕切りの末端でして(画像の○印の奥)、そこからディフューザーで導くように空気の流れを作るものです。

で、今回の実験でなかなか面白いことがわかりました。 そのポイントは・・

1、円周長を有効に活用した音圧分配
 ヒラベッタ型の3D?スパイラルホーンは、ホーン出口の音圧方向が、Takenaka氏オリジナル設 計よりも円周方向に残っている。 オリジナル設計は細めの管で出口のベクトルは開口部方向にかなり向けてあるものが多く、おそらく出口方向に向いているほ ど出てくる音圧はよりダイレクトに向かってくるでしょう。
 一方、平べった型では逆に円周方向成分が多く残っていますので、そのまま筒の中を周りながら降りてきます。 (もちろん、筒はここで切れていますから、切れ目から外へ飛び出そうともします)  まずはこの円周方向の音圧成分を利用します。

2、開口寸法の最適化
 上記音圧分配は、ただ開口があるだけでは そこから一気に抜けてしまって、分散効果があまり得られません。
  今回の試みとして、仕切り端の所で開口幅を一旦狭めた上で徐々に広げてゆき、一周する頃にまたすぼめる、という寸法設計にトライしてみました。 元々スパ イラル開口部の面積は大きすぎるくらいに十分ですから、このようにスパイラル中心付近を狭めていっても十分な開口面積が取れます。 勿論あまり絞りすぎる と詰まった音になりますが、ホーン出口面積より広い分には大丈夫のようです。
 こうして開口寸法をコントロールすることで、音圧分配が中域から中 低域、低域にかけて割と均一に行われるようです。 気柱共鳴の聴感上の「ちらし」効果に加えて、低域の量感向上にも寄与しています。 より広い面積に放射 上に音圧を作る効果だと思いますが、最近使っていなかった「バックロード的な低音」という表現をまた使いたいと思う程の変化です。

3、気柱長さの分散
 これは推測に過ぎませんが、subakoでは160Hz付近で起こっている1次共鳴。 約1m程度の気柱相当の共鳴で す。 3D-スパイラルでは、気柱共鳴の起きる音道長さは、スパイラルの中心径に寄って来るようですので、ダクト共振計算に使う音道長さの半分ほどの長さ の気柱共鳴になると考えられ、 これが一般的なバックロードホーンとの特性差に(良くも悪くも)繋がっていると私は考えています。
 で、この気柱長さを分散できれば、共鳴のピークが分散される可能性があるわけです。
 今回の構造ですと、開口面積を絞って気柱長さを先に延ばしたような格好になっていますので、仮に円周の1/2の長さに沿って分散したとすると、
外筒の内円周長が 195mm x π x (1/2) = 306mm
と なり、元の長さの30%もの長さで分散される可能性がありそうです。 もちろん、スパイラルの仕切り自体はちょん切れた後ですから、完全に分散されること は無いとは思いますが、耳で聞いた限りでは効果がかなりあります。 測定するとどうなるのか、次回はトライしてみたいと思います。

 以前「スパイラル出口に邪魔板を置くと、共鳴の減少効果がありそうだ」 とアナウンスしたとき、kumasanがH-75でトライしていただいた のですが「効果なし」との結論でした。 その時は「平べったい形でないと効果ないのかなあ・・」 と思ったものですが、 上記3、の効果は外筒の径に大き く依存しますし 1、の音圧ベクトル方向の違いも加わりますので小口径スパイラルではあまり効果が出なかったことの説明もつきそうです。

 なお、この出口ディフューザーはまだまだ奥が深そうでして、日々(夜な夜な)形を変えては試行錯誤を行い、最終的には積層合板のサンダー掛け品で新作し、完成品を作り上げたいと考えています。

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3月
12 (日)

 ミルクプリン型のディフューザの有無でF特の変化があるかどうか測定してみました。 結果は、もちろん変わってはいたのですが想像していたような大きな変化ではありません。
「.._nodiff..」がディフューザ無し、「.._diff..」が有りです。「.._dif2..」は後で出てきます改良仕様です。

subako-dif2-test060312.gif

 Port出力では、出口を絞っているせいで低域レベルが高めに出ていますが、160Hz付近の共振周波数が少しさがり山の高さが相対的に低くなっています。一方300Hz付近から上の周波数では、逆に「綺麗に」共振が出ているように見えます。
 どうやらこの方式では、共振を抑制することはできないが、聴感上の共振音の歪み感を減らすような効果に向いているということのようです。 前回の記事での「3、気柱長さの分散」という項目を挙げましたが、この効果は推測どおりではなかった、ということもわかりました。 なかなか難しいです。

 色々ソースを変えて聞いてみると、結局ピアノの中音やギター等ではユニットとダクト開口部との音圧干渉があります。 ディフューザーで散らしていても、「全体的に濁っている」感じが付きまといます。
 ではこのままで良いのかというと、もちろんまだ前に進まねばいけません。 
(1)サックスの低い音が篭らず ・・150?300Hz
(2)ギターの音が共鳴せず ・・200?400Hz
(3)ピアノの音が干渉しない ・・400?1KHz
(4)でも低音は元気に出したい
という状況にできるだけ近づけたいのですから。 特に(1)?(3)は聴き方によっては同じように「干渉」しているだけのように見えますが、色々試した結果、現象はすべて別のカテゴリに分類できそうです。

(1)は篭り音なのでディフューザでスムーズに広げることが大事。
  塞いで閉じ込めるような対策は逆効果。
(2)はダクト出口からの直進性の低い音波が回り込んでユニット
  前面の音と共鳴します。できるだけ開口部を離すのがベター。
  または、音波の通り道を堰き止める。
(3)は直進性の高い音波の干渉ですから、音圧のベクトル方向を
  ユニット前面の方向とは別の方向に向けるのがベター。

 ということで、いろいろごにょごにょシリコンでやってましたが、何しろべたべたするし固まるまで半日はかかります。 そこで、禁断の「発泡スチロール」を使うことに。。

subako-dif2test.jpg

 発泡スチロールの利点は、もちろん自由な加工がすぐにできることです。 音波で共振してしまいますが、予察テストを行うにはこんなに都合の良い材 料はないです。 今回のこの画像の状態にするのに、片側30分で終わっちゃうんですから。 (スチロール同士の接着は、シリコンシーラントを使いまし た。)
 後方右側に見える小さな開口と、画像ではわかりませんが左側はもっと大きな開口を設けてプリンデフューザの周囲(発泡スチロールの裏)を回って出てきた低域が拡散しやすい形状となっています。 左右に低域を放射することで、音圧低下を最小限にできます。

 測定結果は冒頭の測定グラフの「..dif2.Farfield」です。  Port出力も測定してみましたが、なぜかうまく測れませんでした。  高域を見ると測定レベルが少々高めだったようで、その分差し引いて見てください。 50?100Hzの音圧が相対的に上昇。 160?200Hz付近の 音圧が下がって、200-500Hzの暴れが減って。 1KHzの音圧が下がって干渉していないような感じです。 今回ほど聴感上の効果が測定結果にはっ きり現れたのも始めてです。 ニンマリ。 もちろんメリットだけではありません。 中低域のダイレクト感は少し減退(バックロード的な低音から、また離れ てゆく・・)。 チェロの胴鳴りも少し遠ざかった感じです。 低域と中域・中高域の一体感が少し薄れたでしょうか。 全体的なまとまりはずいぶん上がりま した。(1)?(4)の平均点が上がる様に煮詰めていった結果ですから、当然といえば当然ですね。

 なお今回は(2)(3)の対策がメインでしたが、その前提として(1)の対策であるプリン型ディフューザーが有ってこそ、全体がまとまったと言え ます。 もう少しごにょごにょテストして最適形状を見極めた後に、積層合板化したいと思います。 それまでは少々音が悪いですがスチロールでガマン(笑)

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3月
14 (火)

12日の記事で、ディフューザーをだいぶ煮詰めている状況ですと書きました。
その後、スチロール形状の削りこみや、ディフューザへのシリコン盛りなどでずいぶん音が落ち着きました。 しかし、改めて聞いてみると何だか全然面白みのない音になっちゃいました。あーあ。 苦労したのに。 少しブルー。
ここはひとつ、思い切って変えてみるか! ってなわけで、3D-ロボット君を作ったときに考えていた、下面開放型にトライしてみようと思います。
具体的には、↓の画像のように下面にはできるだけ障害物(特に水平面)との距離を取るようにします。

under_free.jpg

予察なので箱なんぞ使っていますが、スチロールを丸く切ったディフューザー代わりの物も一応載せて。

さて、音のほうは・・
おー、フレッシュさが戻りました!  低域は締まって量感が減ってしまいましたが、中高域は音像が浮かびます。 いい感じ。
あとは蓄積したノウハウを元にディフューザーを工夫すれば、これは新たなブレークスルーになりそうな予感。  中域が床で反射して定位がふらつきそうな気もしますが、音質優先だーね。

実際には、図のように中心が砲弾型のディフューザーにするつもりです。

under_free.gif

 外筒を延長するような格好にする理由は、ここを延ばせば500Hz以上の中域がぐるっと回って丁度反対側から後ろ向きのベクトルに音圧方向が変わることを狙っています。
砲弾型ディフューザーの下は、前後の柱を除いては床まで何も無い構造。 さて、今月の下旬に、作る時間があるかな・・  本当は一発予察を入れたいけれど、そんな余裕はないな。

<060315追記>
この形で少し予察をしているんですが、アコギの音の共鳴がひどくって。。 低い周波数の共鳴は対策が難しいです。
やっぱり元のプリン型に戻してみるか(笑)  プリン型も完成度はだいぶ上がって平均点は高いのだけれど、結果として中域の膨らみが取れたから「面白みのない音」になっちゃったようです。 色気と共鳴は紙一重ってことか。

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