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(三菱)GDIエンジンの空燃比変化予想(旧版)

 レグナムに搭載された1.8L?GDIエンジンの、実際の空燃比は負荷によってどのように 変化しているのか、参考文献などを元に推測してみました。



 注:いくつかの文献を参考にしてますが、最後は私が独断推理した空燃比です。

 
 グラフは、エンジン回転数:4000rpm以下の定地定常速度走行の場合を示し、 加速の時でアクセルを踏み込んだ状態や、上り・下り坂では大きく異なってくる。


 ・グラフの解説

   (低速域)

 70Km/h以下の低速域では、空燃比は最高の40の超希薄燃焼となる。この状態では、 アクセルペダルからワイヤーでつながれたスロットルバルブとは別に設けられた、 2個の「エアバイパスバルブ」からの吸気量が大半を占める。40Km/hの時の吸気量は、 普通の同排気量エンジンの100Km/hの時の吸気量にも匹敵するという。
   (高速域;80?120Km/h)
 80Km/hを超えると、エアバイパスバルブによる吸気量は最大限に達し、空燃比40を維持できなくなる。 よって燃料の比率を上げてゆくことで、トルクを増してゆく領域となる。120Km/hの時の空燃比は、 30まで低下する。つまり、この間は負荷上昇に対して、より以上に燃料の消費カーブの上昇が大きい。
   (高速域;120?140Km/h)
 120Km/h以上では、超希薄燃焼ではかえって効率が低下する領域となる。 三菱のGDIでは、25?30という空燃比は使用せず、一気に20?24の、吸気噴射モードでの希薄燃焼となる。 このモードでは、GDI本来の層状燃焼ではないので効率向上割合も大きく低下するが、在来のリーンバーンエンジン 並みの効率向上は期待できる。
   (高速域;140Km/h以上)
 140Km/h以上となると、もはや希薄燃焼はムリ。濃い混合気によるパワフルな燃焼が必要である。 この時の空燃比は、理論空燃比の14.7?13(リッチ)となり、通常エンジンの燃焼と同じ空燃比 である。

 補足になるが、空燃比13というリッチな状態は、気化したガソリンに1割をそのまま排出している ことになる。1割も!?と思ってしまうが、トヨタD?4では、空燃比12迄使用しているそうである。 2割もムダ使い&環境への悪影響を及ぼしているということだ。
超希薄燃焼を実現するため、GDIもD?4も特殊なピストン頂面形状をとっており、 これが空燃比を「かなりリッチ」にして燃料冷却効果を上げないと燃焼室への負担を 減らせない最大の原因なのかもしれない。


 ・このクルマにこのエンジンで、燃費の良い走行をするには?

 60?80Km/hの一定速度で走行できれば、空燃比40の領域を使えるので、キャッチフレーズどおり の「30%燃料消費削減」が可能なはずである。
もっとも、この速度は一般道では速度オーバーであるし、高速道路では中途半端で他車に迷惑がかかる他、 渋滞の原因にもなりかねない。
このエンジンの「最も美味しい」領域を常に使って走りつづけるのは、郊外路を快調なペースで走るときくらいなもので、 大都市近郊に居住する人にとっては現実的にはなかなか機会が少ない。

 また、このグラフは定常走行の場合を示すもので、スタート加速や坂道などではこの速度よりアクセルを相当踏み込む 状態となる。 注意すべきは、今までのエンジンのようにアクセルの踏み込み量が、およそ出力(負荷)トルクに比例するもの ではないという点で、GDIエンジンではアクセルの踏み込み量に応じて自動的にエアバイパスバルブ開度や燃料噴射量を 決めているので、自分ではあまり踏み込んでいないつもりでも、実際にはかなりの負荷をエンジンが負っていると考える 必要がある。
例えば、80Km/hから加速する場合、20?30%程踏み込んだ状態でも、超希薄燃焼領域からはずれ、普通のエンジン と同じ程度の燃料を消費するのである。自分では「あまり踏み込んでいない」と思っていても、自動制御の分の「ゲタ」を履いている ぶん、エンジンにとっては既にかなりの負担を背負っているのである。

 

 ・省燃費モードから外れるのは、どんな時? 97/11/8 rev.98/7/20

  1. A/TでDレンジに入れて停止中に、エアコンのコンプレッサーがONの時。
     この時は、発進時の瞬間的なトルクを得るためなのか、それともエアコンの負荷変動による空気量・燃料噴射量の変化への 制御が困難なためなのか、通常燃焼から発進するようにプログラムされているようだ。
  2. 走行中にブレーキを踏んでから、約2秒間。
     GDIの省燃費モードでは大量の空気を吸引するので、スロットルによる吸気絞りが期待できず、 吸気管負圧が不足してブレーキのマスタシリンダ作用が低下し、ブレーキの効きがあまくなってしまう。 これを避けるため、ブレーキペダルを踏んだときには即座に通常燃焼モードに変わり、 約2秒間はそのままで省燃費モードには戻らない。
    この影響は、特に都市部の渋滞路や信号間隔の短い道路を走行する際に現われる。こうした状況では、 どうしてもアクセル?ブレーキを交互に踏み込む状況であり、ブレーキを踏んだあとの通常燃焼の状態で すぐに加速に入ることとなって、燃費を悪化させると思われる。

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  1.  以上のことから、街中での燃費を向上させるには、前車との車間距離を長めに保ち、 A/Tのスポーツモードを活用して、エンジンブレーキでの減速を利用することで、 省燃費モードを維持した走行が可能となる。

    エンジンブレーキを使うことで、その間の燃料のフュエルカットによる省燃費も合わせて期待でき、 一石二鳥である。しかし、私は自分ではこの方法で運転しているが、妻やその他の人には勧めない。 なぜなら、前車への追突の危険が増える恐れがあるから。

    もし、みなさんがこの方法を試してみるのであれば、まずはスポーツモードの マニュアルシフト操作に慣れることが大事で、十分に慣れて、シフトのタイムラグなどを しっかり体得してから、あくまで自己責任で試すようにしてほしい。また、特に夏場では、停止状態ではニュートラルにしておき、発進のときにタイミングを計って 先にブレーキを離してからDレンジに入れ、一呼吸待ってからアクセルを踏めば、 省燃費モードでの発進ができるのではないかと想像する。

  2.  また、特に夏場では、停止状態ではニュートラルにしておき、発進のときにタイミングを計って 先にブレーキを離してからDレンジに入れ、一呼吸待ってからアクセルを踏めば、 省燃費モードでの発進ができるのではないかと想像する。

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