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GDIエンジンの空燃比変化(予想)

(三菱)GDIエンジンの省燃費性能を最大限に引き出すには?
 
99/1/17

 GDIエンジンで、実際に燃費を良くする走り方はどのようなものでしょうか?
三菱のホームページにも掲載されていますが、ごく一般的にいわれている「ありふれた内容」であり、思ったほど燃費が良くならないという声に対する言い訳程度の記載に思えます。
 そこで、私のこれまでの調査結果を総合して、
「本当に燃費が良くなる(はずの・・・)走り方」を紹介します。但し、この方法で燃費が良くならなかったとしても、私はなんら責任をとるものではありません。また、ご自身の運転スタイルを変えることになると、慣れないことから危険が増す場合もあるかもしれません。あくまで自己責任で実施してください。予めご了承願います。
 
また、以下の記載はGalant/Legnum/Aspireに搭載された1.8L-GDIに関するもので、 特にPajero-ioや2.4L以上のGDI車など、電子制御スロットルを採用している他車には当てはまらない場合があります。


目次

  1. 一般的な注意
  2. エンジン始動〜暖機終了まで
  3. 渋滞時
  4. 町中走行
  5. 郊外走行
  6. 高速走行


  1. 一般的な注意

    1. 超リーンの領域は、軽負荷の安定した走行状態に限ります。

    2. 加速中のほとんどは、通常燃焼になります。普通のアクセル操作では、ごくゆっくりした加速(まるで役に立たないほどの加速)しか 超リーンバーンでは得られません。 信号・交通量の多い町中燃費は、普通のエンジンと変わらない燃費しか期待できないと思っていた方が良いでしょう。それでも少しでも燃費を良くしたいという前向きな人なら、項目2以下の説明を読んでトライする価値はあります。

    3. 何速のギヤで時速何キロの定常走行なら、絶対にリーンバーンで走れる・・・といったような確実な決め事はありません。 その瞬間のエンジンの吸気量や、直前のアクセル操作、その他走行抵抗の総合的な影響で、結果としてリーンバーンで走れたり、走れなかったりします。その中でも特に重要なのが、アクセル操作です。
       アクセルを踏み増す時は、「すっと」踏み増さず、「じんわり」と踏み増す
       「すっと」踏み増すと、制御の加速判定で無条件に通常燃焼に切り替わるが、「じんわり」と踏み増すことで加速判定から逃れ、負荷の状態によっては超リーンを維持した加速が可能となります。
       どのくらいまでが「じんわり」の範囲なのかは 言葉で表すのは非常に難しいですが、想像以上にゆっくり踏み増さないとダメなようです。 AT2速では アクセルオフから踏み増して 超リーンの臨界点になるまで5秒くらいかけて踏んでゆくくらいの遅さ、と言えば解るでしょうか・・・。非常に右足が疲れる話なのです。

    4. タイヤの空気圧は、既定値であるFront=2.3Kgf/cm2、Rear2.1Kgf/cm2以上にしておきましょう。定常走行燃費(高速道路など)に影響します。 私はFront=2.5Kgf/cm2、Rear2.3Kgf/cm2にしております。

    5. ガソリンは、ハイオクを使いましょう。 レギュラーも使えますし、高速道路で100km/hでゆっくり走った燃費はほとんど変わりませんが、街中でのトルク・燃費は明らかに低下します。(三菱の見解でも同じく低下します。) ノッキングの件も解決されていないようなので、燃費だけでなく総合的に判断して、ハイオクを入れる方がBetterと思います。

    6. このページを読んでホンキで燃費向上を試してみたいと思った人は、私のように負圧計を付けましょう。実際にどんな感じでリーンバーンに入るのか、負圧計を付けないと 絶対にわからないです。
       例えば、通常燃焼 → リーンバーンへ入るとき、 一瞬アクセルを緩めてふたたび「じんわり」踏み増さないと、リーンバーンに入らないことがあります。 特にエンジン回転数が低いときはそうです。
       そんなのは実際に負圧計の針を見ながらでないと まったくの当てずっぽうになりますから 不可能です。 ・・・ というわけで、 みなさん負圧計を付けましょう。 (笑)

      負圧計による空燃比の推測ペ−ジは、こちらです。



  2. エンジン始動〜暖機終了まで

     アイドリングが650〜750rpmに落ちるまでは、通常燃焼リッチ→ストイキであり普通のエンジンの暖機と同じ状態。 最近のクルマは昔と違って「暖機運転でもアイドリングは不要」であり、よほどの寒冷地でなければ始動して10秒もすれば走行しても問題ないから、ガソリン節約のためにはすぐに発進する方が良いです。
  3.  とはいっても、リーンバーンにはならないし、空燃比もリッチ気味であるから、いきなり踏み込んで急加速や高速走行をしたら、燃費は確実に悪化します。 始動後、アイドリングが650〜750rpmに落ちるまでは、いつもより更に穏やかな運転を心がけることが、燃費向上のためになります。


  4. 渋滞時

     
    当然ながら、渋滞時は燃費が悪化します。しかし、以下のことに注意すれば、普通のエンジンよりは燃費の悪化度合いを小さく押さえることが可能です。

    1.  ATで停止中(特にエアコン使用中)
       エアコン、ATシフト位置と燃焼モードの関係は以下のようになります。

    2. エアコンON エアコンOFF
      Dレンジ停止 ×(100%) ○(50%)
      Nレンジ停止 ○(50%) ○(35%)

         ○はリーンバーン×は通常燃焼を表し、数字(%)はエアコンON・Dレンジ停止状態(通常のエンジンのエアコンONの状態とほぼ同じ)の燃料消費量を100%とした時の、私の勝手な推定燃料消費量です。

        よって、
        (1)Dレンジ→Nレンジにギヤを抜く。
        (2)エアコンを切る。
        (当然ですが。)
        ことで、通常のエンジンに比べて大幅にガソリン消費を減らせます。

      しかし、(1)では発進時に再びDレンジに入れるのと、アクセルを踏み込むタイミングを誤ったりすると、ATミッションにダメージを加える可能性があるので要注意。
       さらに、3分以上停止する時は エンジンをOFFにしよう。始動時に余分なガソリンを消費するが、停止分の節約の方が上回るそうだ。 但し、臨界の時間はどのくらいなのかは、残念ながら統計的なデータは持ち合わせていません。

    3. 20km/h以下の断続的な渋滞のとき(特に高速道路での渋滞など)
       普通のエンジンのクルマだと、一番燃費の悪くなるパターンです。 しかし、こんな時でもGDI車は乗り方次第で燃費の悪化を最小限にできます!  上の停止中の注意とともに、活用してください。

      (1)前車との間隔に余裕をもち、できるだけブレーキを踏む回数・アクセルの踏み増し頻度を減らす
       一般的な注意のところでも説明したような、「じんわり」踏み込んでゆく方法をとればリーンバーンを維持した走行が可能ですが、そのためには車間距離が必要です。 車間距離がないと、すぐにブレーキを踏んだり、アクセルを踏んだり、という状態になります。 他車に迷惑をかけない範囲で、十分な車間距離をとりましょう。 渋滞も、乗り方次第で燃費悪化を最小限に走ることができるのです。

      (2)エンジンブレーキを使う
       エンジンブレーキはその間フュエルカットになるので積極的に使うべきです。 できるだけ先の交通状態を早めに把握し、AT車でもスポーツモードを駆使して 長めにエンジンブレーキを利かせれば、その間のガソリンは節約されます。 ブレーキパッドの摩耗を減らすことにもなりますが、 ATミッションへの悪影響については あまり的確な情報を持ちあわせていないので 記載できません。 私は気にせず「バンバン」エンジンブレーキを使っています。

    4. 交通量が多く、20〜40Km/hでの加減速の多い状態のとき
      この時は、あまり多くを考えても燃費は良くなりません。諦めましょう。強いて言えば、2速HOLDで走ることくらいです。Dレンジのままで 2速 ←→ 3速 を行ったり来たりの状態では、アクセル操作が安定しないのでリーンバーンの機会が大幅に減ります。 でも2速HOLDそのものが燃費を悪くするはずなので、いまひとつ傾向が不明です。 まあ、やはりこの時は諦めるのがいいですネ (^^;


  5. 町中走行

     なかなか燃費向上のヒントが少なかったのが、大都市圏の町中走行です。
     信号が多く、GO&STOPの繰り返しでは、いかにGDIでも燃費の良くなる方策はないのでは? それも1.8L−GDIは下の方が非力だし。 ・・・そう半ば諦めかけていたのですが、あるとき3速で「ふーっと」加速感のある状態で リーンバーンで走行している自分に気づきました。
     これはひょっとして、コンピューターやゲームでいえば「裏技」なるものがあるのでは?? と考えて、試行錯誤した結果、以下の発見に到達したのです。  それは・・・

    発見:GDIでリーンバーンの機会を増やすには、吸引慣性が最も影響する

     「吸気慣性」とは、自分自身の吸気の速度・圧力を利用して、シリンダ内に効率よく空気を押し込む状態を言います。 反対に、吸い込む空気量を増やしたいときには、この「吸気慣性」が悪影響します。
     加速時に「じんわり」踏み込まなければいけない理由には、単に「制御上の」問題の他にも、吸気慣性の影響が無視できない、 ということも解りました。

    1. 吸気慣性などの悪影響
       加速時、リーンバーンを維持するには、「じんわり」アクセルを踏み込む必要がありますが、理由の一つに「吸気慣性」に逆らって吸気量を増やしていくには「タイムラグ」が存在する、ということがあるようです。
       つまり、「じんわり」踏み込んでゆかないと、吸気慣性などの影響で吸気量の上昇が制御側で思っているほどに追いつかないので、 必要以上にエアバイパスバルブを開けようと制御側が判断して、エアバイパスバルブの開度司令値の上限になってしまい、 結局 通常燃焼に切替えざるを得ない状態になる、というものです。(一部推測を含む)
       イメージとして、重さのある物体をゴム糸で手繰り寄せる感覚、とでも言いましょうか。 引っ張っても、物が付いてくるまでには時間が必要なのです。

    2. 吸気慣性を利用する方法
       加速時、この吸気慣性を利用して、リーンバーンでの加速の割合を増やす方法は、以下のとおりです。
      説明用のグラフを参考にして、理解に努めてください。

      1. 力強い加速には、低ギヤで引っ張るのがセオリーです
         GDIということで、ついつい何時でもアクセルを穏やかに踏んでしまいますが、実はこれが落とし穴だったりします。
         加速時は、ほとんどの場合が通常燃焼であることを思い出してください。 通常燃焼だったら、いくら穏やかに踏んでも、燃費はそれほど向上しません。極論すれば、物を加速する場合には、力学的エネルギー保存の法則から、ゆっくり加速してもずばっと加速しても、同じ速度まで加速するのに必要な理論上のエネルギーは変わらないのですから、いくらがんばってもダメなわけです。効率の悪い低ギヤで コトコト加速する時間を長く取るよりも、しっかりと加速した方が燃費が良い場合もあるかもしれません。

         ですから、全開に近いような 空燃比が「リッチ」になるほど踏み込まない限り、

         町中での運転の基本は、「メリハリを付ける」

         ことに行き着きます。つまり、加速は「ぐいっ」と、その後は「ぴたっ」と定常速度に入れることで、早く定常走行に入れて効率よい時間割合を増やすのが効果的です。
         
      2. 本当に燃費を追求する人は、吸気慣性を利用しよう

         上のように、「ぐいっ」と加速することを基本にします。下のグラフを見てください。
        1速〜2速では、半開に近い(アクセル開度は小さくても、低回転では吸気抵抗が小さいのでエンジンからすれば半開〜全開に近い)状態で加速します。 ATのスポーツモードを利用しましょう。 シフトアップの目安は、2500〜3000rpm付近です。この時、負圧計は全開に近い値、-5cmHgあたりを示します。
         次に、スポーツモードで3速にシフトアップするその瞬間、一瞬アクセルを緩めます。どのくらい緩めるかと言えば、踏み込み量を半分にするくらいです。 この時点で、アクセル開度が適正であれば、通常燃焼 → 超リーン燃焼に切り替わります
         
         2速で3000回転で加速中の必要空気量は、かなりの量になります。このときの吸気の慣性力を損なわないようにしながら、3速にシフトアップされた低回転のエンジンに、リーンバーン用に必要な多めの空気を「押し込んでやる」のです。
         すると、うまくゆけば見事に超リーンバーンを維持しながら「緩い加速」に入れます。まるで、空飛ぶじゅうたんに乗っているような、遅い電車に乗っているような、「ふうっ」という感じの加速感です。 そして、負圧計を見ながら適正負圧までアクセルを「じんわりと」踏み増します。

         そのまま3速 → 4速にシフトアップするときまで、この吸気慣性効果はある程度持続されます。 この時も、一瞬アクセルを若干緩めましょう。 

         この方法によれば、45Km/hくらいまでは周囲のクルマをリードするくらいの加速で、45〜60Km/hオーバーまでは 若干もたついた加速感で、普通に町中を走ることができます。
         これで、加速エネルギーの1/4を超リーンバーンで得られたことになります。超リーンの燃費向上効果が20%とすれば、その1/4である5%が、この走り方で得られる燃費向上効果、というわけです。 加減速の多い町中走行で5%の燃費向上は ずいぶん大きいことは 想像いただけると思います。



        この加速感ならば、いままで不満に思っていた、「低速時の超リーン領域が三菱説明よりも感覚的に狭い」 という問題が解決されます。 最大トルクの50%まで、しっかりと超リーンで走ることができると思います。

        しかし、問題があります。ここまでの走りをするには、やはり「負圧計」は不可欠です。
        あなたも負圧計を付けて、GDIの燃費向上を極めましょう!



  6. 郊外走行

     郊外走行、それは一見、GDIの実力をもっとも生かせるシチュエーションのように思えます。しかし、それは錯覚、というよりも、思い込みに過ぎません。 それは、「60Km/h定地走行カタログ燃費が29Km/L以上も走る」 ということからの 幻想に過ぎません・・・

     いくら60Km/hで走るといっても、まったく一定の状態で走れるわけがありません。 加速も必要ですし、アップダウンもあります。
     そこでアクセルを踏みますたびに 通常燃焼変わります。 そして悪いことに、一度通常燃焼に変わると、特殊なアクセル操作をしないと 超リーンに戻らないことが、往々にしてあるのです。
     一度通常燃焼に変わると、特に臨界回転数である1,800〜2,100rpm以下では、アクセルを一瞬チョット戻してやらないと、超リーンに戻らないのです。 そしてその後に、徐々にアクセルを踏み増すことが可能です。
     チョット戻す前のアクセル開度と、 リーンに戻って踏み増した後のアクセル開度は同じ、などという場合もあります。 だったらなにも操作しなくても、勝手にリーンバーンに戻って然るべきです。 一体、こんなことがあって良いのでしょうか? でもこれが現実です。

     私も過去に(負圧計を付けていない時期に)郊外走行で、ガマンガマンの60Km/h維持走行で 何度か最高燃費をトライしてみましたが、 結果は最高でも13.7Km/h(私の公式記録)止まりでした。 高速100Km/h燃費が16.4ですから、それに届かないわけです。
     その原因は、上記の制御上のクセと、60Km/hではトルクが小さい、吸気効率の悪い領域にあることだと考えています。
     おそらく、郊外走行で最高燃費を出すには、70〜80Km/hで走行するか、負圧計を必死に睨みながらガマンの走行を極める必要があるでしょう。
     

  7. 高速走行

     最高燃費を期待できる最も身近な走行環境が、高速道路です。 それも、エアコンの不要な秋〜春の、夜間の空いている高速道路です。
     実際に最高燃費を狙うには、以下の点に注意が必要です。
    1. 走行速度は、制限速度の前後が適切
       80Km/hで超リーンでずっと走行できれば、それが最も燃費が良いと思います。しかし、4速で80Km/hでは臨界回転数に達せず、通常燃焼リーンバーン領域がありません。 これはかなりのマイナス要因で、ちょっとした加速・登坂でも 通常燃焼に落ちてしまうことが多いのです。
       ですから、85Km/hを下回らない程度に、しかも廻りのクルマに迷惑をかけない程度の速度でのんびりと走ることが、最高燃費を達成するための 第1の条件です。 私の高速最高燃費は平均速度105Km/h(メーター読み)での記録です。

    2. アクセル操作に細心の注意を払う
       定地では、アクセル操作は極力避け、 車間距離を多めに開けて走りましょう。アクセルを踏み込むときは、踏み込み量を押さえるだけでなく、「じんわり」と踏んでゆくことが大事です。

    3. 上り坂を目前に控えたら
       先の方に上り坂が見えたら、平地で予めゆっくり加速してから、坂道に進入しましょう。短い坂道であれば、その貯金を徐々に放出する如く 上り坂で減速する感じでそのままリーンモードで抜けられる場合もあります。 長い上り坂では、無理せずきちんとアクセルを踏んで上るより他ありませんが・・・

    4. 下り坂では、エンジンブレーキ
       エンジンブレーキを最大限に活用し、フュエルカット時間を延ばしましょう。




      さあ、これだけマスターすれば、あなたもGDI燃費向上のプロになれます。 最高燃費を更新したら、その時の走り方や走行環境などを、メールで連絡してください。 今後の研究の参考にさせていただきます。

       ご意見、燃費報告などは、こちらへ。 naao@pb.highway.ne.jp


以上

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